
宝塚記念(G1)ローテーション検証から浮かび上がるのは、この穴馬。今の阪神の馬場ですでに結果を出している特注馬とは

いよいよ本日25日、競馬界上半期の総決算であるグランプリレース・第64回宝塚記念(G1)が阪神競馬場で行われる。
現在、単勝1.3倍(オッズは24日16:00現在。以下同)と断然の1番人気となっているのはもちろんイクイノックス(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
昨秋、3歳馬にして天皇賞・秋(G1)と有馬記念(G1)で圧巻の競馬を見せて連勝。今春も海外遠征し、ドバイシーマクラシック(G1)を完勝したことが評価され、現在世界ランク1位なのだから無理もないところだろう。2番人気のジャスティンパレスが8.6倍なのだから、いかにその実力が図抜けているのかが分かろうものだ。
ただ、こうした“絶対的ムード”が漂えば漂うほど、余計に“穴馬”を探したくなるのも事実。加えて宝塚記念では1番人気馬が凡走に終わるケースが多々あり、“荒れるレース”としても知られている。
例えば過去20年間をみても、勝った馬の中には5番人気が1頭、6番人気が3頭、7番人気が1頭、8番人気が2頭、そして11番人気が1頭とかなりの確率で穴馬が“激走”しているのである。
逆に過去20年間で、単勝1番人気に支持されて勝った馬は2004年のタップダンスシチー、06年のディープインパクト、12年のオルフェーヴル、14年のゴールドシップ、そして21年のクロノジェネシスとわずか5頭のみ。
1番人気を大きく裏切った馬のなかには07年のウオッカや15年のゴールドシップ、17年のキタサンブラックなど、歴史的名馬も含まれているほどだ。
なぜ、これほど本命馬が崩れてしまうのか。その理由をローテーションから検証し、今回激走出来そうな穴馬がいないかを考えてみよう。
まず、宝塚記念優勝馬の前走は、過去20年で8頭の勝ち馬を出している天皇賞・春組が最多。だが、春天の1・2着馬に限ってみると、3勝2着2回3着2回着外17回とかなり低調な成績に終わっている。
今年の優勝馬のジャスティンパレスや同2着のディープボンドにとっては実に嫌なデータなのだが、その理由としてはまずは距離が3200mから2200mと一気に1000mも短縮されることが大きく関係していると思われる。
この“距離適性の壁”が大きく立ちはだかるため、よほどの実力馬でない限り、天皇賞・春と宝塚記念を続けて好走するのは至難の技だ。
むしろ天皇賞・春組なら3着以下に敗れた実力馬の巻き返しを期待したい。同レース4着からの臨戦となるブレークアップと同レースでは11着に沈んだものの、昨年の日本ダービー(G1)3着、菊花賞(G1)1着と牡馬3歳クラシックで好走したアスクビクターモアは妙味十分の存在とみている。
注目は宝塚記念とほぼ同距離の芝2000〜2500mのレースを前走に選んだ宝塚記念優勝馬だ。
過去20年でG2の金鯱賞が3頭、G1の大阪杯とクイーンエリザベス2世C(香港)が各2頭、そしてG3の鳴尾記念が1頭で計8頭いる。これにやや距離が長い芝2400mのオープン競走(当時)のメトロポリタンS、芝2410mのドバイシーマクラシック(UAE)、そして芝2500mの目黒記念(G2)からそれぞれ1頭が優勝しており、中距離路線組で計11頭となる(残る1頭は芝1600mのG1・安田記念)。しかも、この11頭のレース着順も4勝2着3回3着3回着外1回と好走しているのである。

この条件に当てはまる馬が今回、イクイノックス以外に1頭だけいた。今の阪神の馬場ですでに結果を出しているボッケリーニである。
前走の鳴尾記念では中団追走から早めに動き、逃げた3番人気のフェーングロッテンや、先行した1番人気のソーヴァリアントと2番人気のマリアエレーナらをねじ伏せ、見事1着に輝いた。7歳馬という点が引っかかるが、芝2000〜2500mの中距離での実績は3勝2着4回3着1回着外4回と、それほど悪くはない。
さらに阪神の芝コースに限定してみると、1勝2着3回3着1回4着1回とまさに阪神巧者。過去に出走したG1の2戦では、ともに二ケタ着順と大敗しているものの、阪神の馬場との好相性を考えると、一発あってもおかしくはないのだ。現在69.3倍の10番人気とまさに“大穴中の大穴”といえる存在となっている。
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