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【七夕賞(G3)展望】4連勝中の大物バトルボーン登場! 「未完の大器」と言われた父シルバーステートが果たせなかった重賞舞台へ

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【七夕賞(G3)展望】4連勝中の大物バトルボーン登場! 「未完の大器」と言われた父シルバーステートが果たせなかった重賞舞台への画像1
バトルボーン 撮影:Ruriko.I

 9日、福島競馬場ではハンデ重賞の七夕賞(G3)が行われる。過去2年の年齢別成績を見ると、馬券に絡んだ6頭は全て5歳馬。しかし、今年は4歳馬の2頭が1番人気を争うことになりそうだ。

 これが7か月ぶりの実戦で、昇級初戦となるバトルボーン(牡4歳、美浦・林徹厩舎)に熱い視線が注がれている。

 本馬の父は現役時代に“未完の大器”と呼ばれたシルバーステート。この父子に共通するのが、デビュー戦2着後に4連勝という戦歴である。

 バトルボーンも父と同じく初戦で黒星を喫したが、そのレースを制したのはのちに日本ダービー(G1)で1番人気に推されたダノンベルーガだった。その後、バトルボーンは父をまねるように条件戦を4連勝。5連勝を懸けて、父が果たせなかった重賞に挑む。

 父の現役時代を改めて振り返ると、敵は常に自身との闘いだった。2勝目を挙げた頃にはクラシックの有力候補と騒がれていたが、共同通信杯(G3)を前に屈腱炎を発症。1年半以上の長期休養を強いられた。復帰後も自己条件戦で連勝を伸ばし、4歳夏に待望のオープン入り。ところが、その後に2度目の屈腱炎に見舞われ、無念の引退。種牡馬入りとなった。

 初年度産駒でもあるバトルボーンは、父より早い3歳秋にオープン入り。重賞挑戦を今年3月の日経賞(G2)で叶えるはずだったが、調教後に鼻出血が確認される一頓挫があり、放牧に出されていた。

 美浦に帰厩したのは6月。当初は翌週の函館記念(G3)との両睨みだったが、七夕賞で復帰戦を迎えることになっている。

 これまでの5戦は全て東京か中山というバトルボーン。初めてローカルでのレースを迎えるが、好位で立ち回れる機敏さも持っているため、小回りコースはむしろプラスに出る可能性もありそう。5連勝での重賞Vも夢ではないだろう。

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フェーングロッテン 撮影:Ruriko.I

 重賞初挑戦のバトルボーンに対して、実績的に一枚も二枚も抜けているのはフェーングロッテン(牡4歳、栗東・宮本博厩舎)だ。

 重賞タイトルは昨年のラジオNIKKEI賞(G3)だけだが、その後もほぼ毎回上位争いに顔を出している。

 昨夏の新潟記念(G3)は古馬を相手に3番手からしぶとく粘って3着に好走。菊花賞(G1)こそ15着に大敗したが、今年は初戦の中山金杯(G3)から3戦連続で逃げて3着、2着、2着と堅実に走っている。

 特に粘り強さを発揮したのが、前走の鳴尾記念(G3)だった。鞍上の松若風馬騎手が「今日はスタートがあまり出ていきませんでした」と振り返ったように、ゲートを出てややバランスを崩す。

 最初のコーナーまでに先頭に立ち、自分のペースに持ち込んだものの4コーナーでは先行各馬に並びかけられ、残り300m地点では早くもボッケリーニら後続勢に交わされる厳しい展開。いったんは4番手に下がるシーンもあったが、そこから驚異的な粘り腰で差し返して、2着を確保している。しっかりスタートを決めてスムーズに運べれば、重賞2勝目も見えてくるだろう。

 4歳馬の2頭を追う筆頭候補は、昨年の当レースを制したエヒト(牡6歳、栗東・森秀行厩舎)だ。

 1年前は54kgの軽ハンデが示す通り、完全に格下扱いで単勝6番人気の伏兵だった。しかし、レースでは中団追走から直線で鋭く伸びると、2着ヒートオンビートを2馬身半突き放して完勝している。

 その後も3走前のチャレンジC(G3)で3着、2走前のアメリカジョッキークラブC(G2)で2着と上位争いを演じており、七夕賞の激走がフロックではなかったことを証明。この春は果敢にサウジアラビアにも遠征してレッドシーターフハンデキャップ(G3)に臨み、後方から直線で末脚勝負に懸けたが、7着が精いっぱいだった。

 海外帰り初戦で状態面は気になるが、1週前の調教でしっかり好調さをアピールしている。栗東坂路の追い切りでマークした時計はこの日の最速となる4ハロン48秒9。しかも加速ラップを刻んでおり、連覇に向けて態勢は整ったか。

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ヒンドゥタイムズ 撮影:Ruriko.I

 ヒンドゥタイムズ(セ7歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、前走の鳴尾記念で7着も、勝ったボッケリーニから0秒3差と内容は悪くなかった。3走前の小倉大賞典(G3)を重馬場で勝利しているように、得意の道悪なら大駆けに期待できる。


 ガロアクリーク(牡6歳、美浦・上原博之厩舎)は、前走エプソムC(G3)で果敢に先行するも10着に敗れた。それでもタフな展開で道中3番手を進んでの結果。1年ぶりを叩かれた上積みを考慮すれば、20年スプリングS(G2)以来となる白星を挙げてもおかしくはない。

 この他には、前走のメトロポリタンS(L)でオープン特別初勝利を飾ったグランオフィシエ(牡5歳、美浦・久保田貴士厩舎)、前走・新潟大賞典(G3)で2着に逃げ粘ったセイウンハーデス(牡4歳、栗東・橋口慎介厩舎)、全4勝を福島で挙げているコース巧者のヴァンケドミンゴ(牡7歳、栗東・藤岡健一厩舎)なども上位に食い込む力を持っている。

 今年はバトルボーンとフェーングロッテンの4歳馬同士の一騎打ちとなるのか、それともエヒトが連覇を達成するのか、はたまた伏兵陣がその間隙を突くのか。注目の一戦は、9日の15時45分に発走を予定している。

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