【プロキオンS(G3)展望】「世界のトップレベルで戦える」武豊が高評価、リメイクが海外帰り初戦!
9日、中京競馬場ではダート1400mを舞台とするプロキオンS(G3)が開催される。今年のJRAダート重賞は1番人気の馬が「5-2-0-0」と7戦全てで連対中だが、その記録が継続するかにも注目だ。
今年1番人気の支持を集めるのは、おそらくこの馬だろう。海外で2戦し、これが帰国初戦となるリメイク(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)である。
デビューから1400m戦を中心に使われ、3歳春に昇竜S(OP)と端午S(OP)を連勝。続くユニコーンS(G3)では1番人気を裏切って6着に敗れたが、秋のテレ玉杯オーバルスプリント(G3)で2着に好走し、古馬と互角に戦えるところを証明した。
そして迎えたのが昨年末のカペラS(G3)。リメイクにとって初めての1200mもやや不安視された。しかし、前半3ハロンが32秒2のハイペースを無理なく後方から追走。鞍上の福永祐一騎手(現調教師)が「この馬のリズムでは走れていた」と話したように、あくまでもリズム重視の結果、後方でじっくり脚を溜めることができた。
直線ではその作戦が実り、外に出されると一気の末脚で先行馬を丸飲み。最後は2着リュウノユキナに4馬身の差をつける圧勝だった。
リメイクはその後、サウジアラビアとドバイを転戦。福永騎手のラストライドとなったリヤドダートスプリント(G3)では日本馬最先着の3着に好走したが、武豊騎手との初コンビで臨んだドバイゴールデンシャヒーン(G1)は、直線で脚を伸ばすも5着に敗れた。
それでもレース後に武騎手が「世界のトップレベルで戦える、いい馬だ」とコメント。レジェンドのお墨付きを得た素質馬が今回コンビを組むのは、昨年のリーディング川田将雅騎手である。
同騎手は昨年8月のクラスターC(G3)でリメイクに騎乗予定だったが、レース当日に競走除外。約1年ぶりとなる仕切り直しの一戦で、同馬に重賞2勝目をもたらすことができるか。
昨秋のテレ玉杯オーバルSでリメイクに先着したシャマル(牡5歳、栗東・松下武士厩舎)もまた、仕切り直しの一戦を迎える。
最後の直線で競走中止となった前走さきたま杯(G2)を含め、近5走の手綱を取っていたのは川田騎手。しかし、今回はテン乗りの坂井瑠星騎手に乗り替わる。
シャマルは昨年の春以降、ダート短距離路線で安定した走りを披露。重賞初挑戦の東京スプリント(G3)を皮切りに、佐賀のサマーチャンピオン(G3)、テレ玉杯オーバルSと約5か月の間に重賞を3勝する活躍を見せた。
秋にはG1にも挑戦し、南部杯(G1)で3着、チャンピオンズC(G1)でも5着と適性より長い距離でも好勝負を演じた。今年は初戦の黒船賞(G3)を3馬身差で快勝し、ダート短距離界を牽引すると思われたが、続くかしわ記念(G1)は直線で伸びを欠いて4着。そして前走・さきたま杯は、最後の直線で競走中止となり、勢いは止まっている。
ただ前走の競走中止は右後肢跛行で大事には至らず。中4週での実戦復帰となる。果たして坂井騎手は、元主戦の川田騎手に一泡吹かせられるだろうか。
タガノビューティー(牡6歳、栗東・西園正都厩舎)は、重賞勝利こそないが、嵌ったときの末脚は一級品。それを証明したのが前走のかしわ記念だった。
シャマルとメイショウハリオが2強を形成したその一戦で、タガノビューティーは5番人気の伏兵扱い。ただし、この馬にとってはベスト条件ともいえる左回りのマイル戦で虎視眈々と上位を狙っていた。
レースではいつもよりやや前目の中団を追走。3コーナー辺りから徐々に進出を開始すると、最後は勝ったメイショウハリオと激しい追い比べに持ち込んだが、惜しくもクビ差及ばなかった。それでも3度目のG1挑戦で賞金加算には成功している。
6歳を迎えて復調の兆しを見せたきっかけとなったのは、3走前の根岸S(G3)から着用しているブリンカーだろう。陣営のコメントからも、道中で気を抜かずに走れるようになった効果は如実に表れている。4度目の“秘密兵器”を味方に待望の重賞初勝利を狙う。
この他には7歳馬3頭も不気味な存在。オープン特別2勝のほか、21年エルムS(G3)2着など重賞で3着以内が4回あるオメガレインボー(牡7歳、栗東・安田翔伍厩舎)、昨年の東海S(G2)など重賞で3着が3回あるブルベアイリーデ(牡7歳、栗東・杉山晴紀厩舎)、オープン特別を2勝し、今年のフェブラリーS(G1)にも出走したケイアイターコイズ(牡7歳、栗東・新谷功一厩舎)は、いずれも重賞は未勝利だがG3なら上位を賑わしてもおかしくない。
世界を相手に戦ってきたリメイクが川田騎手との新コンビで重賞2勝目を飾るのか。それとも交流重賞4勝のシャマルが改めてその実力を誇示するのか。注目のプロキオンSは9日、15時35分に発走を予定している。
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