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タイトルホルダーはなぜオールカマーで復帰するのか?落馬負傷の横山和生も滑り込みセーフ…岡田代表が選んだ「ファンが一番望むこと」

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タイトルホルダー 撮影:Ruriko.I

 昨年の天皇賞・春(G1)を2着ディープボンドに7馬身の差をつけて逃げ切ったタイトルホルダー(牡5、美浦・栗田徹厩舎)。続く宝塚記念(G1)では、2011年にアーネストリーが記録した2分10秒1を塗り替える2分9秒7のレコードタイムで圧勝し、向かうところ敵なしの強さを見せた。

 凱旋門賞(仏G1)への挑戦を敢行した昨秋は結果を残せなかったものの、今年3月の日経賞(G2)を2着ボッケリーニに8馬身差で楽勝した際には、最強馬の復活をファンに印象付けたはずだった。

 しかし、新装オープンした京都競馬場で行われた今年の天皇賞・春は、2周目の4コーナーでまさかの競走中止。連覇を狙った舞台で苦い記憶を残すこととなってしまった。自身が最強馬に名乗りを上げた宝塚記念を今年はイクイノックスが制し、気が付けば相手は世界最強馬と呼ばれる存在にまで駆け上がっていた。

 勿論、巻き返しを期すタイトルホルダー陣営も、このまま終わる気はさらさらない。

 放牧先で十分に英気を養い、先月の17日に美浦トレセンへと帰厩。その後も順調に乗り込まれている。復帰を予定している24日のオールカマー(G2・中山芝2200m)に向けて視界は良好だ。

 その一方で、なぜ復帰初戦にオールカマーが選ばれたのかについては少々気になるところだが、これにはタイトルホルダーを生産した岡田スタッドの岡田牧雄代表の並々ならぬ想いが背景にあったようだ。

岡田代表が選んだ「ファンが一番望むこと」

 詳細については元記事をご確認いただきたいのだが、『日刊スポーツ』の奥田隼人記者のコラムに気になる内容が掲載されていたため、その一部を紹介したい。

 オールカマーから始動することについては、山田弘オーナーに相談し、復帰2戦目にジャパンC(G1)を視野に入れていると報じられているが、“ターゲット”に設定している相手がイクイノックスだからということらしいのだ。

 当然ながらオールカマーの内容次第になるものの、岡田代表は吉田勝己氏(ノーザンファームの代表)に「イクイノックスはどこ使うの?」と探りを入れた様子。考え方によっては強敵との直接対決を避けるという選択肢もあったはずだが、岡田代表の言葉を借りれば「一番強い馬にぶつける。それは、ファンが一番望むことだから。競馬はそうあるべきだと思う」ということだ。

 この「ファンが一番望むこと」は、同じくチームノルマンディ―の代表馬の1頭であるデアリングタクトでも期待に応えてくれた。コントレイルとデアリングタクトという無敗の三冠馬が同年に牡牝で誕生した3年前。アーモンドアイを含めた三冠馬3頭による史上最高のジャパンCが実現したのも各陣営の意地と意地がぶつかった結果だろう。

 既にドゥラメンテの後継種牡馬筆頭として期待されるタイトルホルダーに勲章を増やす意味でも、最強馬復活を信じているファンのためにも結果が欲しいところである。

 主戦の横山和生騎手が落馬による負傷で戦列を離れた際には、SNSでオールカマーでの騎乗を危惧する声も聞かれたが、13日に無事コンビ続行が発表されたばかり。パートナーの復帰に合わせるかのように、主戦騎手が滑り込みセーフで間に合ったのは朗報だ。

 イクイノックスだけでなく、ダービー馬ドウデュース、牝馬三冠が濃厚と見られるリバティアイランドの参戦も噂されるジャパンC。まずは相性のいい中山のオールカマーで復活の狼煙を上げ、万全の状態で決戦に挑みたいところ。

「イクイノックス相手に、レコード勝ちして引退させたいな」

 そう意欲を見せた岡田代表の願いはかなうだろうか。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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