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スプリンターズS(G1)近10年「3着以内40%」逃げ馬で狙えるのは? テイエムスパーダVSジャスパークローネVSモズメイメイ…徹底調査でわかった逃げ馬の好走パターン

スプリンターズS(G1)近10年「3着以内40%」逃げ馬で狙えるのは? テイエムスパーダVSジャスパークローネVSモズメイメイ…徹底調査でわかった逃げ馬の好走パターンの画像1

 週末はいよいよ秋の短距離王決定戦スプリンターズS(G1)が行われる。アグリ、ジャスパークローネ、テイエムスパーダ、ナムラクレア、ピクシーナイト、ママコチャ、メイケイエールなど、さすがにスピード自慢の快速馬が揃った。

 ただロードカナロアやサクラバクシンオーのような抜けた馬は不在で混戦模様。そしてこのレースをさらに難解にしているのが、前走で好成績をあげている逃げ馬の存在だ。

 もともと1200m戦はスピードが生かせる絶好の条件。だが前哨戦で見事な逃げ切りを決めても、この大一番を逃げ切った馬は少ない。過去10年で完全な逃げ切りはゼロ、2000年以降でも2009年ローレルゲレイロ、2007年アストンマーチャン、2006年テイクオーバーターゲット、2004年カルストンライトオの4頭である。

 とはいえ馬券圏内の3着まで拡げると、過去10年で2019年2着モズスーパーフレア、2017年3着ワンスインナムーン、2016年2着ミッキーアイル、2013年2着ハクサンムーンと4頭が好走している。言い換えれば連対率は30%、複勝率も40%になる計算だ。つまり逃げ馬の取捨選択は馬券的にも重要であり、ファンにとってもその扱いが悩みどころなのは間違いないだろう。

 今年は以下の16頭が出走する。その中で逃げ馬として主導権争いを繰り広げそうなのは、テイエムスパーダ、ジャスパークローネ、モズメイメイの3頭だ。他にも逃げた経験がある馬はいるが、この3頭に割って入ってまで逃げたいという陣営はなく、やはりこの3頭に絞られるだろう。

■2023年10月1日 スプリンターズS(G1)

1 ナムラクレア
2 テイエムスパーダ
3 ピクシーナイト
4 ナランフレグ
5 ウインマーベル
6 ママコチャ
7 オールアットワンス
8 メイケイエール
9 アグリ
10 マッドクール
11 ジュビリーヘッド
12 ドルチェモア
13 ジャスパークローネ
14 エイシンスポッター
15 キミワクイーン
16 モズメイメイ


 14番人気ながらセントウルS(G2)を逃げ切ったテイエムスパーダ、CBC賞(G3)と北九州記念(G3)を逃げ切り、サマースプリントシリーズの王者となったジャスパークローネ、葵S(G3)のロケットスタートが記憶に新しいモズメイメイ。この3頭で買える逃げ馬はいるのか、それともまとめて消しでいいのか、それを見極めるべく過去10年で逃げて馬券に絡んだ4頭、そして馬券に絡めなかった逃げ馬の傾向を調べた。

徹底調査でわかった逃げ馬の好走パターン

 まずは中山コースの勝利実績だ。このコースは他のコースと異なり、最後の急坂が大きなポイント。平坦コースで好走できても、この坂を経験していなければ最後に止まる可能性は高い。逆にいえば、中山の坂を克服して勝利した実績があれば、その経験が最後の粘りに繋がるはず。前述の4頭(モズスーパーフレア、ワンスインナムーン、ミッキーアイル、ハクサンムーン)は、すべて中山の芝コースで勝利した実績があった。

 次に前走成績は4着以内が条件で、できれば2着以内が理想。前述の4頭は1着が2頭、2着が1頭、4着が1頭となっており、ある程度好調であることが望ましい。

 次に枠は極端な内枠と大外16番枠以外ならOK。2022年は1枠1番テイエムスパーダが15着、2021年は8枠16番モズスーパーフレアが5着、2020年は1枠2番モズスーパーフレアが10着と馬券圏外に敗退しており、特に1枠2枠の逃げ馬は不振となっている。

 鞍上に関しては、前走でも騎乗していることが絶対条件。乗り替わりでの好走はない。過去にその馬に乗って、逃げて勝利した実績があること。その実績がない場合は苦戦傾向にある。さらに鞍上には中山・芝コースでの勝利経験が望ましい。騎手として急坂のある中山で勝利したことがなければ、G1という大一番で手綱捌きに影響が出るのは言うまでもないこと。馬同様に騎手も中山・芝コースの勝利実績があれば、大きなプラスになる。

 好走馬の馬体重は452~502kgの範囲で、重すぎず軽すぎずといったところ。さすがに開催最終週でパンパンの良馬場にはならず、スピードとパワーが要求される馬場になるのも影響しそうだ。

 性別と年齢を見ると4頭中2頭が4歳牝馬、そして4歳と5歳の牡馬が各1頭となっている。つまり3歳馬、5歳以上の牝馬、6歳以上の牡馬は逃げて好走していない。実際に過去10年で馬券に絡めなかった逃げ馬6頭は、3歳牝馬、6歳牝馬、5歳牝馬2頭、6歳牡馬、7歳牡馬となっており、その傾向がはっきりしている。

 以上を踏まえて今年のスプリンターズSに出走する逃げ馬をチェックすると、まずテイエムスパーダは中山・芝コースで未勝利、鞍上の富田暁騎手も中山・芝コースで未勝利、そして1枠2番で減点。モズメイメイも中山・芝コースで未出走であり、3歳牝馬も消し要素。そして乗り替わりと前走の10着大敗、大敗だった前走に続き大外8枠16番は致命的だ。

 まとめると、今年のスプリンターズSにおいて買えそうな逃げ馬は、中山・芝1200mで2勝の実績があるジャスパークローネになりそうだ。ただ、鞍上の団野大成騎手は中山で勝利経験こそあるものの、通算2勝と苦戦傾向にある。先週のオールカマー(G2)でもジェラルディーナで結果を出せなかったように、過度の信頼は禁物か。

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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