武豊「かなり能力がある」ノーステッキで新馬戦快勝のパートナーを高く評価! 「骨折」で叶わなかったタッグでのクラシック参戦へ

1日、スプリンターズS(G1)と同じ舞台で行われた中山3Rの2歳新馬戦(芝1200m)は、武豊騎手とジューンブレア(牝2歳、栗東・武英智厩舎)のコンビが単勝1.9倍の期待に応えて勝利した。
フルゲート16頭立てのレース。武豊騎手とジューンブレアは最内1番枠からスタートを決めて先行。前半600m通過35秒9というゆったりした流れの中、インの5番手付近でじっくりと脚を溜める。
最後の直線に入ると内を割って抜け出し、メンバー最速となる上がり3ハロン34秒8の脚を披露。逃げ込みを図る2番人気フィオライアをゴール前できっちりと半馬身差で捕らえた。
「調教でいい動きを見せていたので期待していましたが、スピードはもちろんのこと、レースセンスの良さも随所で光っていました。最後の直線はノーステッキで、ゴール前は抑える余裕も見せていたことから、着差以上の完勝だったと思います。
血統的にはアメリカンファラオ産駒で、近親に海外G1・2勝のダッチアートがいる良血。ちなみにアメリカンファラオ産駒は芝の右回りでこれが初勝利にもなりました」(競馬誌ライター)
レース後の武豊騎手は「走ることに対してかなり能力がある」と、ジューンブレアの素質を高く評価。今回は1200mだったが「マイルくらいまでなら大丈夫だと思う」と、距離延長にも十分対応可能であることを話した。
また管理する武英師も「牝馬なのでマイルのいいところを狙っていきたい」と、この先を展望。暮れの阪神ジュベナイルF(G1)、来春の桜花賞(G1)路線をこのコンビが賑わせることになるかもしれない。
「骨折」で叶わなかったタッグでのクラシック参戦へ
なお武豊騎手と武英師のコンビで牝馬クラシック戦線を盛り上げた馬といえば、この日のスプリンターズSにも出走するメイケイエールが思い浮かぶだろう。
デビュー2戦目からコンビを組んだメイケイエールと武豊騎手は、小倉2歳S(G3)とファンタジーS(G3)を連勝。阪神JFこそ4着に敗れたが、年明け初戦のチューリップ賞(G2)を1着同着で制して桜の女王候補となった。
ちなみにメイケイエールを手掛ける武英師にとって武豊騎手は、はとこであると同時に、子供の頃からサインを真似するなど、スーパースターとして憧れていた存在。そんな尊敬するレジェンドとともに臨む本番を、さぞかし心待ちにしていたことだろう。
しかし、桜花賞を前に武豊騎手が右足を骨折。コンビでのクラシック参戦は残念ながら霧散してしまったのである。
「武豊騎手が怪我をしたことで、横山典弘騎手との新コンビで桜花賞に挑んだメイケイエールでしたが、シンガリ18着に惨敗。稀代のおてんば娘としても知られる同馬だけに、テン乗りではいくらベテラン騎手でもさすがに厳しかったでしょうか。
タラレバになってしまいますが、乗り慣れた武豊騎手とのコンビで参戦していれば、また違った結果になっていたかもしれませんね」(同)
なお武豊騎手×武英師の組み合わせがクラシックに参戦したことは、まだ一度もない。メイケイエールで叶わなかった桜花賞出走を見据えるためにも、まずはジューンブレアの次走を楽しみに待ちたい。
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