
天皇賞「29戦0勝」川田将雅にWパンチ!? 4着以下の「15連敗中」札幌記念(G2)勝利のプログノーシスに黄色信号

「素晴らしい走りをしてくれました。またこの馬が秋に走る時に、楽しみにしていただければと思います」
2か月前の札幌記念(G2)で勝利を収めた川田将雅騎手が愛馬プログノーシス(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)に送った労いと期待の言葉だ。
今年に入って金鯱賞(G2)1着、香港のクイーンエリザベス2世C(G1)2着、そして札幌記念で4馬身差快勝と、充実一途のプログノーシス。29日に東京競馬場で行われる天皇賞・秋(G1)ではイクイノックスとドウデュースに次ぐ3番人気に支持されることが予想される有力馬の1頭だ。
これまでの戦績は10戦6勝。川田騎手がそのうち6戦で手綱を取り、全6勝を挙げている。川田騎手以外の時は「0-2-1-1」なので、コンビ相性の良さが分かるだろう。
その川田騎手は、自身初のリーディングに輝いた昨年に続き、今年も絶好調。先週末までにC.ルメール騎手と並ぶ129勝(以下、27日現在)はリーディング首位だ。G1でもリバティアイランドとのコンビで牝馬三冠を達成したほか、1日のスプリンターズS(G1)をママコチャで制しており、現役No.1ジョッキーの呼び名にふさわしい活躍を見せている。
天皇賞「29戦0勝」川田将雅騎手にWパンチ!?
ただ、JRAのG1を通算25勝している川田騎手も、天皇賞は春秋ともに無縁。特に春は、「0-0-0-16」と馬券に絡んだことすらない。一方で、秋の天皇賞では「0-1-3-9」と馬券には絡んでいるものの勝利がなく、春秋合わせると、29戦0勝という相性の悪さだ。
そんな川田騎手にとってもう一つ嫌なデータが存在する。本番に向かう臨戦過程だ。前走・札幌記念で圧勝したことが、今回の高い評価につながっているプログノーシスだが、実はG2レースを勝利したことが大きなマイナス要素になり得るという。
川田騎手とプログノーシスの“弱点”を指摘したのは、『競馬予想TV!』(フジテレビONE)の出演などで競馬ファンにもお馴染み、新鋭予想家のキムラヨウヘイ氏だ。
キムラ氏は以前から自身のX(旧Twitter)で、G2レースでの川田騎手の圧倒的な強さを発信していた。確かに川田騎手はG1レースのトライアル的な意味合いが強いG2レースにめっぽう強く、2020年以降では単独トップの15勝を挙げている。
ただし、キムラ氏が「G2で完全燃焼する川田騎手」ともポストしているように、G2では驚異的な成績を残すものの、次走のG1で騎乗馬が凡走する傾向にあるという。
実際に18年の秋にファインニードルでセントウルS(G2)→スプリンターズSを連勝したのを最後に、川田騎手とのコンビでG2を勝利した馬は次走のG1で15連敗中。しかも、そのすべてが4着以下というからキムラ氏の“危険な傾向”という指摘には、なかなかの説得力がある。
川田騎手にはぜひとも、春秋天皇賞「29戦0勝」と「前走G2勝利」のWパンチを跳ね返してほしいところだ。
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