【ターコイズS(G3)予想】ミスニューヨークの同一重賞3連覇に期待! 格下ながら出色のタイムを持つ穴馬へ
今回は今年最後の牝馬限定重賞となるターコイズS(G3)を予想していく。
先週の振り返り。まず中日新聞杯(G3)だが、印を打った馬が軒並み馬券圏外。人気していたヤマニンサルバムが勝ち、2着は年齢を感じさせない怒濤の追い込みを見せたハヤヤッコ、3着がピンハイと完敗である。
阪神ジュベナイルF(G1)も人気していた△アスコリピチェーノが勝利したが、2着、3着は検討外。コラソンビートはさすがにG2勝ち馬だったので無視はできなかったが、人気になることがわかっていただけに、もっと馬券妙味のある馬を狙った結果消すことにした。2歳戦はやはり力関係をどこまで信じていいのかわからず、難しい。
予想に戻ろう。
まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく……というところだが、このレースは新設されてまだ8年しか経っていないため、今回は過去8年、24頭分のデータとなる。
府中牝馬S 4頭
秋華賞、キャピタルS 各3頭
エリザベス女王杯、京成杯オータムH、オーロC(L) 各2頭
マイルチャンピオンS、JBCレディスクラシック、スワンS 各1頭
オープン特別 1頭
条件特別(3勝クラス) 4頭
となっている。エリザベス女王杯(G1)の重要ステップレースである府中牝馬S(G2)からの臨戦が多い。次いで秋華賞(G1)組が善戦している。つまりこの時期になれば3歳馬でも互角に古馬と渡り合えるということだろう。前走条件戦からの好走も少なくないので、重賞組の方が数は多いが、ハンデとの絡みも含めて検討すべきだろう。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-0-1-5
2番人気 1-1-0-6
3番人気 1-3-1-3
4~6番人気 3-2-0-19
7~9番人気 0-0-2-22
10番人気以下 1-2-4-49
となっている。1番人気と2番人気は数字の上ではアテにしづらい。反面3番人気はそれなりにアテにできそうである。近5年だと1番人気、2番人気はそれぞれ2頭、3番人気が3頭とほぼ横並び。人気馬がまったく来ないわけではない。数字からもわかるように上位人気に中穴が絡んで、というお決まりのパターンではあるのだが、注目したいのは10番人気以下の数字。近5年でも4頭来ており、昨年も一昨年も馬券に絡んでいる。人気薄だからといって軽視は禁物だ。
これらを踏まえて「◎」は同一重賞3連覇がかかる5番ミスニューヨークとする。
前走は京成杯オータムH(G3)。上手くスタートを切って中団前目につけて追走。ペースは速くないものの緩みのない流れで、少しポジションを下げたあと、4コーナーを回って再度押し上げて直線へ。前が残って粘っていたものの勝ち馬に交わされ、この馬も必死に食いついたが及ばず3着となった。
4歳時にこのレースを勝った時は府中牝馬S(G2)12着からの巻き返しで、翌年中山牝馬S(G3)3着と好スタートを切ったもののその後が続かず、今年と同じく京成杯オータムHに出走して4着からの巻き返しで、このレース2勝目を飾った。
今回は昨年このレースを勝って以降まるでいいところがなく、掲示板すらない状況だったが、京成杯オータムHで3着に好走しての臨戦である。中山コースと相性がいいのもあるだろう。
今年はトップハンデの56.5kgを背負うことになるが、昨年から1.5kg増。さすがに3連覇はないと見てか人気もそれほどなく、狙い目でしかない。本命で押さえておきたい。
「○」は人気サイドだが9番サウンドビバーチェを挙げる。
前走はヴィクトリアマイル(G1)。緩めのペースで流れていく中、4コーナー過ぎで押し上げていって直線へ。前が残る展開になったが5着までだった。
昨年はオークス(G1)出走に漕ぎ着けたものの、トラブルで除外。秋華賞(G1)も紫苑S(当時G3)2着で権利を獲ったものの、7着に敗退していいところがなかった。今年も初戦は人気になりながら二ケタ着順の大敗でスタート。しかし、2走目の阪神牝馬S(G2)で重賞初制覇を成し遂げ、続くヴィクトリアマイルも掲示板を確保できた。
今回はそこから7カ月の休養明けで臨むことになるが、この後に大レースが控えているわけでもないので、きっちり仕上げてくるはずだ。鉄砲駆けの実績もある上、中山コースは2戦してともに連対と好相性である。
斤量は56kgと見込まれたが、これは前走と比較すれば据え置き。何ら問題ないだろう。人気になっていても、好データが揃うとなると押さえるべきだ。
「▲」は穴馬2番フィールシンパシーを推す。
前走は紅葉S(3勝クラス)。五分のスタートを切って中団前目の4番手につけて追走。速くはないが、緩みのない流れで直線に向くと、逃げ馬が前で粘る展開。じわじわと差を詰めて逃げ馬を交わして勝利した。
3歳春はフェアリーS(G3)に出走しているが掲示板止まりで、アネモネS(L)やスイートピーS(L)といった非重賞のトライアルにも出走しているが結果が残せず、自己条件に戻ってコツコツ走ってきた。3勝クラスの脱出に7戦を要したのが出世を遅らせてしまったようだ。
中山コースとの相性は堅実といったところだが、注目したいのは前走の勝ちタイム。3勝クラスながら1分31秒9と、時期こそ違うが同コースのヴィクトリアマイルの勝ちタイムより0.3秒も速い。
上がりも最速ではなかったが33.4秒で来ているだけに、ここへ来て本格化したのではないかと見ている。それで前走より2kg軽い53kgで出られるのだから、これを押さえない手はないだろう。
「△」は人気サイドだが10番ヒップホップソウルと6番フィアスプライドの2頭とする。
ヒップホップソウルの前走は秋華賞で、外枠からのスタートで後方待機策を選択。馬場が悪かったせいもあってかスローペースで流れていき、直線でリバティアイランドが抜け出すと、各馬それを追う展開になり、ほぼ最後方から頑張ったものの9着に敗れている。
春はフェアリーSで賞金加算ができなかったため桜花賞(G1)は見送り、フラワーC(G3)で2着してオークスに出走、6着と健闘。秋は紫苑S(G2)で再び2着に入るが、本番は上記の通り9着に敗れている。
中山コースは1番人気で11着に大敗したフェアリーSでミソをつけているが、4戦して1勝2着2回。この2着はともに重賞であり、G2以下であれば十分やれる実力を持っていると判断できる。この重賞2着2回があっても、斤量は1kg減の54kgで走れるのは好材料だ。後ろからでも前からでも競馬ができる自在性も含めて、人気していても押さえは必要だろう。
フィアスプライドの前走は府中牝馬Sで、大外枠からスタートして後方からの競馬。緩めのペースで流れていき、直線では逃げ馬が粘り込みを図る展開。後方勢が必死に追いかける中、上がり32秒台の鬼脚で追い込むも4着に終わった。
昨秋に3勝クラスを脱出して、初重賞でこのレースに臨み、3着と好走してみせた。今年は3走しかしていないが、初戦の9着のあとは掲示板2回とあと一歩届かない競馬が続いている。
とはいえ、近2走はどちらも重賞で、かつ0.3秒差以内の僅差での敗戦であり、さらに上がり33秒台前半から32秒台という強力な末脚がある。負けていながら好タイムをマークしており、斤量も前走から1kg減。重賞勝ちこそないが、このレースで接戦を演じた経験があるだけにマークする必要はあるだろう。
ということで、今回は2番、5番、6番、9番、10番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。上位人気を押さえてはいるが、抜けた実力の馬がいないので、オッズは割れるはず。人気馬が来てもそれなりの配当になるのではないか。
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