C.ルメール、川田将雅が期待のコメント連発、良血馬2頭がデビュー勝ち…オークス馬に縁の血が東西で躍動
現役時代に牝馬三冠級と期待されたシンハライト。そんな同馬に縁のある産駒たちが、土日の東京と京都で躍動した。
2016年のオークス馬シンハライトは、桜花賞(G1)こそジュエラーの強襲にハナ差の2着と涙を呑んだが、1番人気で挑んだ次走のオークス(G1)では後方から上がり3ハロン最速タイの末脚を繰り出して優勝。ちなみにクビ差で2着に敗れた2番人気チェッキーノは、今年の桜花賞候補チェルヴィニアの母である。
桜花賞前からポテンシャルの高さを評価されていたシンハライトだが、秋華賞(G1)に向けた調整過程で左前浅屈腱炎が判明。牝馬三冠ラストの舞台を見送って復帰を目指したものの、良化が見られないということで早期引退が決まって繁殖牝馬となった。
東西の新馬戦でシンハライトの近親がデビュー勝ち
そんな母シンハライトとダービー馬レイデオロの間に生まれたのが、3日の東京5Rの3歳新馬(芝1600m)を楽勝したセイロンジェムズ(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)だ。
6枠12番からスタートを決めたセイロンジェムズは、鞍上のC.ルメール騎手が3番手の好位に取りつくと、楽な手応えのまま最終コーナーで2番手に進出。最後の直線を迎えても勢いは衰えず、残り200m過ぎに先頭を走るラーリアをパスしてゴールした。
マイル戦とはいえ、前半3Fが36秒6、1000m通過も62秒3の超スローペース。スタート直後に積極策を選んだ名手の決断もまた見事だった。しかも、ただの前残りという訳ではなく、上がり3ハロン最速の33秒3を駆使していたのだから文句なしだろう。
レース後のコメントでルメール騎手も「マジメです」「ずっと冷静だった」「反応も良かった」「距離は延びても問題なし」と賛辞のオンパレード。年明けの2月デビューということもあり、時期的に桜花賞(G1)は難しいかもしれないが、今後も注目したい期待馬のデビュー勝ちである。
そして、良血馬の揃った翌日曜の京都5Rの3歳新馬(芝1600m)でも、シンハライトの姉リラヴァティの産駒、ワールズエンド(牡3、栗東・池添学厩舎)が勝利。2着にはキタサンブラックの弟で父が兄のライバルだったドゥラメンテという良血馬シュガークンが入った。
最後の直線入り口で一足先に抜け出す好判断で、ライバルの追撃を凌ぎ、レースセンスの良さが光るデビュー勝ちだった。
これには手綱を任された川田将雅騎手も「初戦からしっかり内容よく走ってくれて、この競馬が先に生きると思います」と高評価。1番人気で2着に敗れはしたが、シュガークンも奥のありそうな走りだっただけに、2頭とも将来が楽しみな素質馬といえるだろう。
完成度の高さも要求される春のクラシックには間に合わないかもしれないが、昨年の菊花賞(G1)を楽勝したドゥレッツァも雌伏の春から一夏を越えて力をつけた結果、勢力図の塗り替えに成功した。
今はまだ無名でも将来の大物が登場するケースは過去に何度もある。これからデビューを控える馬たちの中にもニューヒーローヒロインが潜んでいるかもしれない。
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