【阪急杯(G3)展望】「8戦6勝」ダノンティンパニーVS「5戦4勝」サトノレーヴ! 高松宮記念(G1)目指し、遅れてきた大物が激突!
25日、阪神競馬場では芝1400mが舞台の阪急杯(G3)が行われる。1着馬には、来月24日に行われる高松宮記念(G1)への優先出走権が与えられる。果たして今年はどの馬が勝ち名乗りを上げることになるのか、早速展望していこう。
主役は、2022年スプリンターズS(G1)でジャンダルムの2着に好走したウインマーベル(牡5歳、美浦・深山雅史厩舎)だ。
その後は短距離路線でなかなか勝てずにいたが、前走・阪神C(G2)で待望の重賞2勝目を飾った。ママコチャ、アグリ、グレナディアガーズが3強を形成したその一戦で、ウインマーベルはやや離れた4番人気という評価。内枠から好スタートを決めて好位を追走すると、3角過ぎにうまく外目に持ち出して、4角5番手から直線で脚を伸ばして先頭でゴールを駆け抜けた。
鞍上の松山弘平騎手は「今日はG1馬もいましたし、そこで結果を出せたのは嬉しい」と強豪馬を相手に勝利を挙げたことに安堵するとともに、「まだまだやれる(馬)」と、更なる活躍に胸を膨らませていた。
ただし、この中間は左前の繋靭帯付近に腫れと熱感がみられる一頓挫も……。幸い大事には至らず、すぐに調教を再開すると、1週前追い切りは美浦ウッドで6ハロン80秒2-ラスト11秒7の好時計を出すなど、アクシデントを感じさせない動きを披露している。引き続き松山騎手とのコンビで重賞2連勝を飾り、高松宮記念でも主役候補に名乗りを上げたいところだ。
中央・地方合わせて通算8戦6勝のダノンティンパニー(牡6歳、栗東・中内田充正厩舎)は高い素質を秘める1頭だ。
もともと中内田厩舎でデビュー予定だったが、3歳まで出走すらできず。4歳1月に転出先の園田で初陣を飾ると、同地で3連勝し、中央へ復帰した。再転入後は2勝クラスで2着が1度あったが、間隔を空けながら順調に階段を駆け上がり、昨年末の六甲アイランドS(3勝クラス)を勝って、待望のオープン入りを果たしている。
年明け初戦は、京都金杯(G3)に登録があったが、賞金不足であえなく除外。仕切り直しの一戦となった翌週のニューイヤーS(L)でR.キングスコート騎手を背に堂々1番人気に支持された。
当日は内伸び馬場で、1枠2番の絶好枠も味方に勝利が期待されたが、スタートで後手を踏むと、終始内ラチ沿いを追走。4角では先頭集団の直後まで迫り、直線で突き抜けると思われたが、伸びかけたところで進路が塞がってしまい万事休す。一度ブレーキをかけ、エンジンをかけなおす致命的な不利があり、5着に敗れた。
それでも前が開いてからは、しっかりと伸びており、まともなら勝ち負けに加わっていた可能性が高い。今回はキングスコート騎手に替わって、同じく短期免許で来日中のA.ルメートル騎手が手綱を握る。
ダノンティンパニーと同じく、これが重賞初挑戦となるのがサトノレーヴ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。
8戦6勝のダノンティンパニーに対し、こちらは5戦4勝。デビュー2戦目の1勝クラスで2着した以外は危なげない内容で勝利を重ねてきた。
前走は昨年4月の朱雀S(3勝クラス)。この時は半年ぶりの実戦だったが、3番手追走から最後の直線で逃げ馬をきっちりと交わして勝利を収めた。着差は半馬身だったが、それ以上に余裕を感じさせる内容で、いきなり重賞で通用しても不思議ではない。
半兄にはスプリント路線で活躍したハクサンムーンがいて、血統的な魅力も十分。近4走は全て1200mを走っていたが、1600mのデビュー戦を勝っており、7ハロン戦なら難なくこなすだろう。
ダノンティンパニーと並ぶ短距離界の遅れてきた大物候補としてどんな走りを披露してくれるのか。混迷極めるスプリント路線だけに、ここを勝てば一躍、高松宮記念の最有力候補に名前が挙がることになるかもしれない。
昨年のNHKマイルC(G1)で1番人気に推された逸材のカルロヴェローチェ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)も見限れない。
今月の洛陽S(L)で9か月ぶりに実戦復帰した際は、陣営もリフレッシュ効果で「パワフルになった」と自信を見せていた。しかし、ブランクが響いたか、まさかの16着に大敗。一度使われたことで、どこまで上積みが見込めるか。
その洛陽Sで4着に善戦したボルザコフスキー(牡5歳、栗東・清水久詞厩舎)は、鞍上がB.ムルザバエフ騎手というだけで押さえないわけにはいかないだろう。昨年末に3勝クラスを突破したばかりだが、自慢の末脚が爆発してもおかしくない。
この他には、昨年の鞍馬S(OP)から、CBC賞(G3)、セントウルS(G2)と目下3戦連続で3着のスマートクラージュ(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)、昨年末から自己条件を3連勝中のアサカラキング(牡4歳、美浦・斎藤誠厩舎)、昨年のファルコンS(G3)でカルロヴェローチェを破ったタマモブラックタイ(牡4歳、栗東・角田晃一厩舎)など、実力伯仲のメンバー構成となりそう。
実績最上位のウインマーベルがあっさり勝利するのか。それともダノンティンパニーとサトノレーヴがそのポテンシャルを如何なく発揮するのか。阪急杯は25日、15時35分に発走を迎える。
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