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【マーチS(G3)展望】武豊も困惑「自らブレーキをかけた感じ」で前走惨敗ミトノオー、2戦2勝「得意舞台」に戻って巻き返しへ

【マーチS(G3)展望】武豊も困惑「自らブレーキをかけた感じ」で前走惨敗ミトノオー、2戦2勝「得意舞台」に戻って巻き返しへの画像1
撮影:Ruriko.I

 高松宮記念(G1)当日の24日は、中山競馬場でマーチS(G3)が行われる。有力騎手の多くが中京で騎乗する関係で主戦から乗り替わりを強いられる馬も多数いる。

 直近の5戦中4戦で武豊騎手が手綱を取っていたミトノオー(牡4歳、美浦・牧光二厩舎)は、乗り替わりが決まっているものの、鞍上は未定のままだ。

 父は芝のマイル~中距離路線で活躍したロゴタイプだが、本馬はデビューから一貫してダートを走って9戦4勝。3歳初戦から3連勝で兵庫チャンピオンシップ(G2)を制すると、続くジャパンダートダービー(G1)でミックファイアの3着に善戦した。

 秋は始動戦の日本テレビ盃(G2)で6着と古馬の前になすすべなく敗れたが、続く浦和記念(G2)で2着に盛り返した。

 そして迎えたのがディクテオン、グランブリッジとともに3強を形成した年末の名古屋グランプリ(G2)。果敢にハナを切ったものの、テリオスベルとメイショウフンジンに執拗に絡まれる厳しい展開となり、向正面で早くも手応えをなくすと、ジリジリと後退していった。

 最後はディクテオンから4秒6の大差をつけられて9着に敗戦。レース後、武騎手は「ペース云々より、今日は向正面で自らブレーキをかけた感じ」と気性面を敗因に挙げた。約3か月ぶりとなる実戦で変わり身を見せられるか。

 久々に中央でのレースを迎えるミトノオーだが、実は中山コースで2戦2勝と好相性を誇る。過去2戦と同じようにハナを切って後続に影をも踏まさぬ逃亡劇を演じることができるかに注目が集まる。


 ミトノオーと同じ4歳世代のブライアンセンス(牡4歳、美浦・斎藤誠厩舎)は、横山武史騎手が4戦ぶりに手綱を握る。

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横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 デビューから堅実な走りで8戦連続3着以内を維持していたブライアンセンス。ところが9戦目の前走・東海S(G2)で初めて馬券圏外となる4着に敗退した。ただ、昇級初戦で勝ち馬と0秒5差なら、重賞でも一定のメドを立てたといっていいかもしれない。

 その前走は岩田望来騎手との初コンビ。「4番手の外が取りたかった」という鞍上の意思とは裏腹に前半の位置取りはちょうど中団の8番手だった。3角手前から徐々に進出を開始し、4角では5番手まで押し上げたが、先行馬有利の馬場もあって、直線では1頭交わすのがやっとだった。

 この馬も中山コースで2度走り、3着と1着。勝利したのは昨年4月の3歳未勝利戦で、2着馬に4馬身差をつける圧勝だった。


 伸び盛りの4歳馬2頭に立ちはだかるのは、5歳を迎えたペイシャエス(牡5歳、美浦・小西一男厩舎)だ。

 3歳時にユニコーンS(G3)と名古屋グランプリを制した実力馬で、JBCクラシック(G1)でも古馬相手に3着に入るなど将来の活躍が期待されていた。

 ところが、4歳初戦の川崎記念(G1)で7着に敗れると、その後もダイオライト記念(G2)5着、エルムS(G3)8着と凡走続き。9月の白山大賞典(G3)で久々に馬券圏内となる3着に粘走したが、前走のポルックスS(OP)は6着に敗退するなどなかなか波に乗れていない。

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横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

 ただしその前走は60kgを背負って、勝ち馬と0秒5差。タフな条件を考えれば決して悲観する内容とまではいえないだろう。今回は横山和生騎手との初コンビで復活勝利を目指す。


 ヴァルツァーシャル(牡5歳、美浦・高木登厩舎)は、昨年の当レースで3番人気に支持されるも最下位に惨敗。その後も不振に喘いでいたが、2走前の師走S(L)で2着に入ると、前走ポルックスSでオープン特別初勝利を挙げた。今回は斎藤新騎手との初コンビを予定している。


 そのヴァルツァーシャルにポルックスSで敗れたのがキタノリューオー(牡6歳、美浦・萱野浩二厩舎)。ただし、2走前の師走Sでは同馬に勝利しており、2頭の力は拮抗している。


 この他には、2勝クラス、3勝クラス、仁川S(L)と3連勝中の上がり馬ダイシンピスケス(牡6歳、栗東・森秀行厩舎)、昨年のJDD2着馬で、前走の佐賀記念(G3)でも2着に入ったキリンジ(牡4歳、栗東・佐々木晶三厩舎)、昨年の当レース3着馬キタノヴィジョン(牡7歳、美浦・萱野浩二厩舎)など、展開次第で上位に食い込む力がある馬も出走を予定している。

 器用さも求められる小回り中山コースだけに、鞍上の手綱さばきも非常に重要な要素となる。難解なハンデ戦を制するのは果たしてどの馬になるのか。レースは24日の15時30分に発走を迎える。

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