GJ > コラムニュース > タイキシャトルが開いた「扉」
NEW

【安田記念特集】20世紀最強マイラー・タイキシャトルが開いた「扉」と残した「軌跡」。絶対王者はその「継承者」を待っている

taikishatoru0223.jpgタイキシャトル(JRA公式サイトより)

 1998年6月14日、第48回安田記念(G1)

 そこに”スリル”はなかった。

 それはもしかしたら、ギャンブルですらなかったのかもしれない。

「さあ、夢は世界へ飛び出すか!タイキシャトル先頭、そのままゴールイン!!」

 長い府中の直線は、栗毛の最強マイラーにとって遥かフランスへ飛翔するための滑走路でしかなかったのか。単勝130円は、今思えば「破格」である。

「重賞6連勝タイキシャトル!向かうところ敵なし!!」

 激しく降り注ぐ雨の中、走破時計は1分37秒5。極端に重くなった芝は、否が応でも次走のジャックルマロワ賞が行なわれるドーヴィルの芝を彷彿とさせた。

 タイキシャトルが当時、いかに国内で抜けた実力を持った存在だったのか。それはこの馬が史上初めてスプリンターズS(G1)とマイルCS(G1)を連勝して、この安田記念を迎えていたという事実がまず1つ。

 いや、そんな記録よりも、1998の年の安田記念がひどい不良馬場の中、それも17頭立てで行われたにもかかわらず、その単勝オッズが今年のモーリスを上回る1.3倍だったと述べた方が、今のファンには伝わりやすいかもしれない。

「11.5倍の2番人気」が、3年後にこの安田記念を勝つことになるブラックホーク。ドバイのゴドルフィンマイルを勝ったアライドフォーシズが3番人気。そして、その後にタイキシャトル共に海外へ遠征し、モーリスドゲスト賞を勝つことになるシーキングザパールが4番人気。

 さらにタイキシャトルは、それまで一度も不良馬場で走ったことがなかった。

 それでもこの日、雨の中を東京競馬場に駆けつけた誰もがこの馬の勝利を確信し、日本史上最強マイラーが世界へ羽ばたく壮行会を見に来ていたのだ。

【安田記念特集】20世紀最強マイラー・タイキシャトルが開いた「扉」と残した「軌跡」。絶対王者はその「継承者」を待っているのページです。GJは、コラム、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 総合
  1. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  2. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  3. JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
  4. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  5. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  6. 毎日王冠(G2)リアルスティール「使い捨て」に調教師が激怒!? 「スキャンダル王」デムーロの指示無視に「いくらなんでも……」
  7. 武豊を「激怒」させた地方騎手が心中を吐露……交流G1完全制覇を阻まれた「疑惑」のJBCレディスクラシック(G1)を振り返る
  8. なぜ凱旋門賞は荒れ続けるのか? 昨年「38万馬券」欧州と日本の”競馬の違い”が生む、大本命エネイブル以上に「警戒すべき」存在とは
  9. JRA歴代G1最多コパノリッキーの「真実」。Dr.コパが語った武豊騎手引退式「爆弾発言」と田辺騎手「作戦会議in銀座」
  10. 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客