ファンディーナ、アドミラブル……底知れないスケールの「新星」は何故G1で撃沈したのか?この春「最後」の大物グレーターロンドンの期待
春の連続G1開催も今週末の安田記念(G1)でようやく一端のフィナーレを迎え、残すはグランプリ・宝塚記念(G1)を残すのみとなった。
競馬メディアとして振り返ってみると、この春のG1開催は特に「新星」という言葉が躍った気がする。
まずデビュー戦から圧倒的な強さで3連勝を飾り、牝馬として69年ぶりの皐月賞制覇に挑んだファンディーナ(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)は、この春のG1戦線に強烈なインパクトを残した一頭だ。
5馬身差で勝利したフラワーC(G3)が、前日に同条件で行われた皐月賞トライアル・スプリングS(G2)とコンマ3秒差しか変わらない牝馬離れした内容。今年の3歳牡馬が低レベルと囁かれていたこともあって、皐月賞では単勝2.4倍の1番人気に支持された。
しかし、果敢に好位を追走したファンディーナだったが、前週までの想定を大きく上回るレコード決着の前に撃沈……。
初めて揉まれる厳しい競馬となり、持ち前の雄大な走りを発揮できないまま7着に惨敗した。
また6戦4勝2着1回3着1回という準パーフェクトの実績を引っ提げて、現役王者キタサンブラックとサトノダイヤモンドとの一騎打ちに割って入ろうとしたのが、天皇賞・春(G1)のシャケトラ(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎)だ。
重賞初挑戦となった年明けの日経新春杯(G2)ではミッキーロケットにハナ差及ばなかったものの、日経賞(G2)ではゴールドアクターやディーマジェスティといったG1馬を撃破して堂々の重賞初制覇。脚部不安でデビュー戦が3歳6月までズレ込んだ大器が、ついにG1戦線に名乗りを上げた瞬間だった。
しかし、初のG1挑戦ながら「2強」に続く3番人気と高い支持を得た天皇賞・春では、課題のゲートで出遅れたことが痛かった。鞍上の田辺裕信騎手もリカバリーに努めたが、遅れを取り戻そうと出していった分、今度は馬の方に火がついてしまいジ・エンド……。
絶好の1枠1番だったものの、ほぼ能力を発揮できないまま9着に沈んだ。
そしてまだ記憶に新しいのが、先週の日本ダービーで1番人気の評価を受けたアドミラブル(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。