JRA「歯車狂った」プリモシーン復活は? 「状態良好」陣営の工夫とは
2月9日(日)に開催される東京新聞杯(G3)。一昨年の勝ち馬はG1競走3連勝を置き土産に引退したリスグラシュー、昨年の覇者インディチャンプは統一マイル王に輝いた。近年の勝ち馬の活躍により、出世レースとして注目されている1戦に、復活を誓うプリモシーン(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)が出走を予定している。
昨年、プリモシーンは福永祐一騎手とコンビを結成すると、始動戦のダービー卿チャレンジT(G3)で2着と結果を出す。その後、向かったヴィクトリアマイル(G1)では上がり最速の脚を使い、勝ち馬とタイム差ナシの2着。あわや勝利という惜しい競馬を見せた。
中京記念(G3)でも牡馬相手に3着と好走したことで、G1制覇も目前かと思われていた。だが、次走の府中牝馬(G2)で歯車が狂い始める。1番人気に支持されていたプリモシーンは、出遅れると最後の直線でもいつもの伸びを欠き、15着と殿負け。続くマイルチャンピオンS(G1)には、W.ビュイック騎手を背に挑戦するも11着と、2戦続けて二桁着に終わっていた。
「府中牝馬Sは前走から+12キロの506キロで出走。ノーザンファーム天栄から帰厩した際には520キ口くらいあったと聞いています。馬体を大きくしようとする意図があったようですが、一部の関係者たちからは『距離が伸びるのに大丈夫か?』と不安視されていましたよ。
そして、その不安は的中し、まさかの惨敗。次走のマイルチャンピオンSでは馬体重こそ落ちていたものの、この敗戦が尾を引いたのか11着に終わっています。ただ状態さえ整っていれば、まだその実力は一線級にも引けを取らないはず。ここで復活の狼煙をあげてもらいたいですね」(競馬誌ライター)
陣営としても昨年後半の失速を気にしているようだ。「netkeiba.com」の取材に対し、木村調教師は「放牧先では食生活を抜本的に変えるなど工夫」したといい、「今回は毛ヅヤも良いですし、状態も良い」と明かし、また「昨秋は馬場に入る時でも妙にドッシリとしていたのですが、今回は良い頃のようにうるさい面を見せています」などと語っている。
今回鞍上にM.デムーロ騎手を迎える予定のプリモシーン。同馬の狂った歯車はもとに戻ったのだろうか? ここが今後を左右する試金石となりそうだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛