JRA安田記念(G1)新マイル王モーリス誕生の衝撃! 「初G1・1番人気」のエリートに堀調教師が明かした苦労話【2015年回顧】

モーリス JBISサーチより

 昨年デビューした初年度産駒の中で、キズナ産駒の勝ち上がりが多く“ポスト・ディープインパクト”の声も出たほど。今週から2歳馬の新馬戦がスタートするが、どんな初年度産駒の活躍があるのか楽しみだ。

 そんな新種牡馬の中で、大いに注目される一頭が2015年に年度代表馬になったモーリスだろう。

 現役時代のモーリスは、18戦してG1・6勝。途中から堀厩舎に転厩したことが大きく、転厩後の成績が11戦9勝2着2回。連対率100%という活躍であった。

 モーリスの出世レースと言えば、2015年の安田記念(G1)。突然現れた新星が、いきなりマイルG1に出てきて1番人気に支持された。どのようにして安田記念を戦ったのか……いま一度、レースを振り返ってみたい。

 3歳の6月から休養していたモーリスは、明け4歳を迎えて復帰すると、アッという間に3連勝してダービー卿CT(G3)を勝ち、そのまま安田記念へと向かった。

 その勢いを買われたモーリスは、G1初挑戦にもかかわらず1番人気に。スプリント、マイルで活躍したロードカナロアが引退してから2年、ファンは新しいスターを欲していたのかもしれない。

 17頭立ての3枠6番に入ったモーリスは、スタートするといつもの癖で出遅れてしまう。だが、これまでは出遅れると置いていかれたが、この日はすぐに行き脚を付けて先団に取り付いていった。

 今春、産駒のラウダシオンがNHKマイルC(G1)を勝ったリアルインパクトがハナを切り、番手で内はモーリスと同じく新種牡馬としてデビューするミッキーアイル、外はケイアイエレガント、レッドアリオンが追走する。すると、その後ろを走っていたモーリスが少し掛かり気味になる。

 これまでなら、直線に向くまで鞍上の川田将雅騎手が手綱を引っ張るシーンがあったのだが、今回は3コーナー手前でスッと折り合ってみせた。

 前半600m34秒3という緩い流れに、モーリスは外目を通り3番手まで押し上げていく。

 4コーナーから直線を迎えると、リアルインパクトを交わして先頭に立つケイアイエレガントを前に見ながら、馬なりで詰め寄るモーリス。そのすぐ後ろにいた馬たちは、どの馬もなかなか抜け出して来ない。

 モーリスは、残り200mの手前からケイアイエレガントをスッと交わして先頭に立つと、川田騎手のゴーザインが出てスイッチが入り、他馬を置き去りにして行った。

 最後、追い込んできたヴァンセンヌに迫られるも振り切って、1分32秒0という好時計で、初G1を勝利で飾ったのだ。

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