JRAダノンプレミアム中内田充正厩舎がまさかの低迷……「新世代の旗手」を救うのは良血揃いの2歳世代か
これからの競馬界を背負って立つと目されていた新進気鋭の中内田充正調教師が苦戦している。
中内田師は厩舎開業4年目となる2017年にJRA史上最速で100勝を達成。また同年には管理するダノンプレミアムが朝日杯フューチュリティSを制し、G1トレーナー入りを果たした。その後も快進撃は続き、昨年は48勝(うち重賞8勝)を挙げてリーディングも4位にランクインするなど活躍している。
管理馬にダノンプレミアム、ダノンファンタジーなど、伸び盛りのG1馬を抱えていることもあり、2020年もさらに成績を伸ばし、ついにはリーディングトップも視野に入る、と考えている人も多かったはずだ。
ところが、昨年のクラシック3戦でいずれも馬券圏内と好走したヴェロックスが、圧倒的1番人気に支持された小倉大賞典(G3)で9着と惨敗を喫するなど、今年は重賞で連戦連敗……。
厩舎の看板的存在だったダノンプレミアムも、4月のクイーンエリザベスS(豪G1)こそ3着に入ったものの、D.レーン騎手を背に挑戦した安田記念(G1)で13着と大敗。またダノンファンタジーも阪神牝馬S(G2)、ヴィクトリアマイル(G1)でいずれも5着に終わっている。
「今年はこれまで14頭が重賞に挑戦したものの、チューリップ賞(G2)2着のクラヴァシュドール以外は、いずれも馬券圏外。また平場に出走した馬たちも上位人気には支持されるも、それ裏切るように敗退し、現在17勝でリーディングも25位。近年の成績からは想像できなかったほど下位にとどまっています」(競馬誌ライター)
“エリート調教師”として順調にキャリアを歩み、世代交代の旗手として見られていた中内田師の低迷。だが、このままズルズルと行くことはないと考えている関係者も多い。
「中内田厩舎の2歳世代にはいずれ劣らぬ素質馬が揃っています。まずブルースピリットが新馬戦Vを飾ると、今月4日には芝1400mの新馬戦ジャカランダレーンが4馬身差で快勝しました。
これからも2歳王者サリオスの半弟であるエスコーラら、ディープインパクト産駒が8頭もスタンバイ。さらにモンファボリが強い内容で新馬戦を勝ったことで、評価が見直されつつあるフランケル産駒も4頭います。これら以外にもロードカナロア産駒、キングカメハメハ産駒も控えていますし、キセキの全妹である『ビッグリボン』までいるんです。
今年の前半は苦戦しましたが、この2歳世代が中内田厩舎の成績向上に一役買ってくれるのではないでしょうか? 3歳以上の馬たちの復活にも期待できますし、これから巻き返しも十分にあり得ると思いますよ」(競馬記者)
中内田厩舎の2歳世代には注目しておいて損はなさそうだ。