JRA神戸新聞杯(G2)武豊も「潜在能力」を評価した打倒コントレイル「1番手」はアノ馬!? 奥手のディープインパクト産駒に陣営も大きな期待感
無敗の2冠馬コントレイル出走で、大きな注目を集める神戸新聞杯(G2)。
そのコントレイルは順調に夏を過ごし、ここでの不安は皆無のようだ。「トモが発達して稼動域が広くなりましたね。舞台設定は文句ないですし、少々の馬場悪化なら対応可能です。無事に回ってくれば結果はついてくるでしょう」と関係者も太鼓判を押している。
こうなると、もはやコントレイルの「相手探し」となる訳だが、コントレイルの相手に人気馬を選んでも面白くないというのは、多くの競馬ファンが考える事ではないだろうか。
今回、コントレイル以外の出走馬として日本ダービー(G1)出走組が有力視されているが、最先着だったヴェルトライゼンデでも、勝ち馬コントレイルとの着差は0.8秒差。よほどの事がない限り、コントレイルに先着する事は難しいだろう。
であるならば、下手に人気を背負うダービー出走組よりも、「別路線組」から相手馬を探す方が得策かもしれない。
そこで狙ってみたいのが、コントレイルと同じディープインパクト産駒のディープキング(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。
本馬は2歳の10月にデビューしたものの、その後7カ月休養。長い間、リフレッシュ放牧に出されている。
デビュー戦で騎乗した武豊騎手は「まだ緩さがあって、力強さが足りない。潜在能力の高さは感じたし、本当に良くなるのはもう少し先」と、その潜在能力を高く評価したと同時に、成長途上であった事を示唆している。
その後、今年の5月に復帰したディープキングは未勝利戦を快勝。3歳以上(1勝クラス)で2着、ラジオNIKKEI賞(G3)で3着と、上のクラスに上がっても好走した。
近2走はどちらも前残りの馬場で、前走のラジオNIKKEI賞に関しては、稍重とはいえ芝の塊が飛び交うかなり悪い馬場状態だった。
2走前の1勝クラスではメンバー中で上がり最速の脚を使っており、今回の神戸新聞杯にも出走するパンサラッサを捕らえきれなかった格好。騎乗した岩田望来騎手が「馬場自体が前残りで、逃げ馬が止まらなかった」とコメントしており、阪神内回りの2000m戦とコース設定も合わなかった。
前走のラジオNIKKEI賞では、メンバー中で上がり2位の脚を使っているが、勝利したのは菊花賞(G1)での打倒コントレイルが期待されるバビット。バビットの父は2010年の凱旋門賞(G1)2着馬ナカヤマフェスタで、この日のような道悪馬場も合っていた可能性が高い。
このレースでは、スタートで隣枠だったバビットにぶつけられたディープキング。これにより後方からのレースを強いられた事に加え、騎乗した戸崎圭太騎手は「道中は脚を取られて進みが悪かった」とコメントしている。
そんな中でも善戦してきているように、能力は高いはずであるディープキング。陣営が「たくましくなって、良い成長を見せている」というように、デビュー時に比べ馬体もガッチリとしてきた。
さらに「広いコースになるのはいい」というように、近2走よりも直線が長い中京コース。自慢の末脚もいかんなく発揮できるはずだ。