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2016.11.24 12:44
【徹底考察】ジャパンC(G1) シュヴァルグラン「悲願のG1初制覇に向け『時』は来た。完勝のアルゼンチン共和国杯で克服した『背景的なハンデ』とは」
監修=下田照雄(栗東担当)
今春の阪神大賞典で重賞初制覇を飾り、天皇賞・春でも3着。宝塚記念はコンディションがやや下り坂だったということもあって9着に惨敗したが、休養を挟んだアルゼンチン共和国杯はトップハンデの58㎏を背負いながら快勝。これだけを見ても本馬がハーツクライ産駒らしいスタミナに寄った馬であることは間違いない。
母父にはマキャヴェリアン、母母父ヌレイエフとスピードを感じさせる種牡馬が配合されているため純粋なステイヤー配合ではないが、母母母父となるブラッシンググルームの存在を含め、近代競馬においては長距離戦で自信を持っていい配合である。
ただし、今回の東京2400mという舞台においては大威張りすることができない配合だ。
昨年の当レースをショウナンパンドラ、ラストインパクトとディープインパクト産駒がワン・ツーを決めたように、この舞台はディープインパクトの天下。今年の日本ダービーでも馬券圏内を独占しており、東京2400mを戦う上で姉妹とは異なりディープインパクト産駒ではないという点は単純にマイナスだ。
無論、アルゼンチン共和国杯の走りを見ても、舞台設定に大きなマイナスポイントはないし、2400m戦も4戦3勝2着1回と高い適性を見せている。
だが、3着だった京都3200mと東京2400mを比較すれば、血統的には前者の方が向いていることは明らか。さらに述べれば、わずか100mの違いではあるもののレースの質を考慮すれば、東京2400mよりも2500mの方に適性があることも確かだ。
したがって、今回は当然守備範囲だが血統的にはベストとはいえない。
≪結論≫
23日に行なわれた共同会見で福永騎手が語っていた通り、前走のアルゼンチン共和国杯は初の関東圏への輸送、さらには休み明けでトップハンデという決して簡単なレースではなかった。それを充実した内容で勝ち切ったことは、単純に評価できるはずだ。
それも冒頭で述べた通り、これらをここ10年の勝ち馬から4頭のG1ホースを送り出しているアルゼンチン共和国杯で成し遂げたことは、改めて本馬が「G1級」の力を秘めている証明になったはずだ。
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