JRA福永祐一「失言」疑惑で今年も偉業達成はおあずけ!? 蛯名正義も成しえなかった記録…… チャンスは来年に先延ばしも
遡ること14年前、2007年秋の天皇賞(G1)での発言だ。武豊騎手がメイショウサムソンで1番人気に応えたこのレースで、福永騎手は6番人気のカンパニーに騎乗。勝負どころとなった最後の直線で、前にいたコスモバルクが左右にヨレたため、進路をカットされるという致命的な被害を被った。
レース後、「スピードが乗ったところで前をカットされた。あの不利がなければ2着があったかもしれない」と、不満を述べたように福永騎手も怒り心頭だったことは想像に難くない。
だが、とあるメディアで福永騎手が「コスモバルクは毎回、毎回やっている。五十嵐さんはG1に乗る騎手じゃない。(ローカルの)福島にでも行っていればいい。勘弁してくれ」とコメントしたと報じられたことにより、思わぬ方向に波紋が広がった。一部のファンからは「福島に失礼だ」「何様だ」と、福永騎手に対し辛辣な意見も出た一方で、「本当に発言したの?」といった真偽を疑う声もあった。
実際、他メディアでこのような発言を報じられた記事はなく、物議を醸していたことに気付いた福永騎手本人も事あるごとに、そのようなことを口にした覚えはないと否定している。
予期せぬ”風評被害”に見舞われることとなった福永騎手だが、その対象となった福島競馬場で重賞勝利に手が届かないせいで、JRA全10場重賞制覇に手が届かない現状は皮肉な結果でもある。
そして、福島開催の重賞の少なさも偉業達成の難易度を押し上げている原因だ。春の福島牝馬S(G3)、夏のラジオNIKKEI賞(G3)、七夕賞(G3)、福島記念(G3)と4レースのみ。
今年は被災の影響によって春の開催が中止となり、状況によっては夏の開催もままならない可能性がある。秋の福島記念はエリザベス女王杯(G1)の裏開催ということもあり、トップジョッキーの一人である福永騎手ならG1に騎乗している可能性も高いだろう。
となると、場合によっては今年の記録達成がほぼゼロとなる可能性も、現実的な話となりそうだ。福永騎手が”福島の呪い”から解放されるのは、もしかしたら来年以降に先延ばしとなるかもしれない。