JRA大阪杯(G1)デアリングタクト敗れるもコントレイルは大丈夫!? 歴代三冠馬の古馬始動戦の明暗、7冠馬ディープインパクトに続けるか

先週の金鯱賞(G2)に出走した昨年の三冠牝馬デアリングタクトが、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持されながらも。最低人気のギベオンに不覚を取って2着と敗れた。
一方、牡馬クラシック三冠馬コントレイルは、4月4日の大阪杯(G1)に照準を合わせ、17日に2週前追い切りを消化。主戦の福永祐一騎手を背に、栗東坂路で一番時計の4ハロン50秒1をマークするなど、準備は万全だ。
デアリングタクトの例をみると、やはり三冠馬といえども、明け4歳となる初戦はひと筋縄ではいかないのか。いや、コントレイルの実力を持ってすれば、強敵揃いの年長馬たちを一蹴できるはず……と、興味は尽きない。
コントレイルの始動戦となる大阪杯を前に、歴代の三冠馬たちが迎えた、古馬になっての初戦を振り返ってみたい。長きにわたる日本の競馬史上、過去に誕生した三冠馬はわずか8頭。そのうち「無敗」で三冠を制したのは、昨年のコントレイルを含めて3頭のみである。
1頭目は1984年に史上初の無敗の三冠馬となったシンボリルドルフ。古馬始動戦は日経賞(G2)。当然、のごとく1番人気に支持され、単勝オッズは100円元返しだった。
本来は逃げ馬ではないシンボリルドルフだったが、スタートからスピードの違いで先頭に押し出され、馬なりのままゴール。2着に4馬身差をつける圧勝劇を演じた。鞍上の岡部幸雄騎手は手綱を持ったままで、その圧倒的な強さは「歩いて勝った」とまで形容された。
続いて史上2頭目の「無敗」の三冠馬ディープインパクト。2005年の三冠馬は、古馬始動戦に阪神大賞典(G2)を選択した。
このときはデビュー以来、初の敗戦を喫した前年の有馬記念から3ヶ月の休み明け。なおかつ440キロ台の小柄な馬が58キロを背負い、稍重の馬場を不安視する声もあった。しかし結果は単勝1.1倍の期待を裏切ることなく完勝。その後の活躍は説明不要だろう。
「無敗」ではないものの、偉大な三冠馬はまだいる。
1964年の三冠馬シンザンは、菊花賞を制覇した後は疲労が抜けずに有馬記念を回避。蹄に炎症が発生したため、翌年6月の宝塚記念を目標に調整され、復帰戦を見事に勝利。その前哨戦となった宝塚の前の復帰2戦も勝利している。
1983年のミスターシービーは三冠馬となった後、ジャパンCと有馬記念を回避。さらに翌84年の古馬始動戦はアメリカジョッキークラブCが予定されていたが、雪予報によりダートで行われる可能性があったことで出走取り止め。さらに次走の中山記念も蹄の状態が悪く回避。結果、秋の毎日王冠(G2)に出走して2着に敗れている。
記憶に新しいところでは、1994年の三冠馬ナリタブライアンだ。三冠達成後の有馬記念を勝利して、翌年の始動戦は阪神大賞典。単勝元返しの期待に見事応えて勝利するも、レース後に右股関節炎を発症。この年の天皇賞・春(G1)出走は叶わなかった。
PICK UP
Ranking
23:30更新
春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRAマイネル軍団総帥・岡田繁幸さん逝く。武豊「僕の原点、この馬と一緒に全国区になった」絶体絶命だった天才を世に放った偉大な決断と信念【特別寄稿】
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 2017年競馬「流行語大賞」発表! 浜中俊騎手の「もういいでしょう」を退け『2017競馬・流行語大賞』に選ばれたのは……
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
関連記事

JRA福永祐一コントレイル大阪杯(G1)始動の前に下り坂!? 大金星ギベオンと最下位ブラヴァスの明暗、頼みの中京で連敗トンネル延長戦

JRA大阪杯(G1)M.デムーロにサリオス「継続騎乗」のチャンス!? 2021年騎乗なしの「絶縁」堀宣行厩舎との関係に光明

JRAグランアレグリア「有馬記念が東京2400mなら使う」藤沢和雄調教師「23年前」時代に泣いた最強の証明へ。「VSコントレイル」大阪杯(G1)挑戦から伝わる思い

JRA レイパパレ大阪杯(G1)出走で「打倒コントレイル」に拍車!? ノーザンファーム系一口クラブが揃ってエース級を送り出す「真意」

JRA大阪杯(G1)は「空前絶後」の超ハイレベル!? デアリングタクト不在も「あの馬」が参戦決定! アーモンドアイ抜きでも史上最高「ジャパンC超え」の理由
















