JRAジャパンC(G1)“偽コントレイル”「異常オッズ」で阿鼻叫喚!? 三連単「8→15→10番人気」の組み合わせが、なんと1番人気に…?
28日、東京競馬場ではジャパンC(G1)が行われ、昨年の三冠馬コントレイルがラストランを見事勝利で飾った。2着には正攻法の競馬を見せた3番人気のオーソリティがしぶとく粘り込み、2番人気に支持された今年のダービー馬シャフリヤールは3着に入った。
終わってみれば、上位人気3頭による決着で、三連複は510円、三連単でも1780円という順当な結果に終わった。
この日の東京競馬は朝から人気通りの競馬が続き、三連複が万馬券となったのは「8→5→9番人気」で決まった7Rの3歳上1勝クラス、そして「3→5→7番人気」の11RウェルカムS(3勝クラス)の2鞍だけ。穴党ファンにとっては非常にタフな一日となってしまった。
そんなジャパンCデーの東京競馬では、恒例の珍現象が発生していたという。
「この日のジャパンCは東京の最終12Rとして行われました。通常、メインレースは11Rに行われることがほとんどなので、競馬歴が長ければ長いほど、『メイン=11R』と脳内にすり込まれていると思います。
そのため、マークシートの塗り間違いや買い間違いを注意喚起する声がTwitterなどでも上がっていました。中には間違って11RウェルカムSでジャパンCの馬券を買ってしまったというファンの書き込みも見られましたね。
そんななか、11RウェルカムSの三連単オッズに異常な動きがありました。『2→4→7』という組み合わせがレース数十分前の時点で、一時的に1番人気になっていたそうです」(競馬誌ライター)
実際にTwitterを検索すると、この組み合わせのオッズが1番人気になっているスクリーンショットを幾つか見つけることができた。11Rの「2→4→7」を単勝人気順で表すと「8番人気→15番人気→10番人気」。とても1番人気になり得ない組み合わせである。
もうお分かりかと思うが、三連単『2→4→7』は、直後の12Rに行われるジャパンCの最終1番人気の組み合わせだった。
つまり、ジャパンCの2番コントレイル、4番シャフリヤール、7番オーソリティと勘違いしたファンが11RのウェルカムSで、この組み合わせに大量投票した可能性が高いというわけだ。
その後、『2→4→7』は徐々に人気を下げたが、それでも最終的に3360通り中の28番人気という異常なオッズで締め切られた。
「特に目立ったのが三連単でしたが、他にも2番の単勝など、ジャパンC上位人気馬の番号が通常以上に売れていましたね。ちなみにウェルカムSで、その3頭はどれも馬券に絡みませんでした……」(同)
かつてメイン競走が11R以外で行われるケースは意外と多く、有馬記念は16年まで、ダービーは18年まで基本的に9Rか10Rで行われていた。そのたびに今回と似た異常オッズの報告があり、ある意味恒例とも言えるだろう。
今年のジャパンCは、いやウェルカムSはそのオッズの動きから誤って三連単に大金を投じたファンがいたことは間違いない。どれだけの額を投じたかは分からないが、そういった人々にとってはまさに痛恨の出来事となってしまった。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。