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武豊騎手に春2冠ベガ以来の大チャンス!「No.2」の”汚名”返上へリスグラシューがチューリップ賞(G3)で思い出しておきたい「感覚」とは

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 そういった意味で今回はソウルスターリングに”借り”を返す絶好の機会といえるが、おそらくリスグラシュー、いや、武豊騎手は「その先」を睨んだ競馬をする可能性が高い。実際に桜花賞5勝を誇る武豊騎手だが、実はチューリップ賞は2勝しかしていない。しかも、勝ったクロフネサプライズとアドマイヤキッスは共に”本番”で敗れている。

 ハーツクライ産駒だけに陣営も「距離はもっと伸びた方が良い」と常々語っている通り、今春の最大の目標は2400mのオークス(G1)となるだろう。

 その上で桜花賞を含めた”本番”を見据え、チューリップ賞ではできることなら阪神JFでソウルスターリングが見せたような内々の好位を立ち回る競馬を試しておきたい。

 無論、枠順の都合も関係するため定かではないが、単純に最大のライバルへの対策というだけでなく、思い出しておきたい「感覚」があるからだ。

 この馬が最も強い競馬したのは前走の阪神JFでもなければ、武豊騎手が騎乗して重賞初制覇を飾ったアルテミスS(G3)でもなく、実は初勝利を飾った未勝利戦だ。

 ハイレベルの好時計が話題となったムーヴザワールドとエアウィンザーの新馬戦(阪神・芝1800m)の1:47.8を1.6秒も上回る、1:46.2の2歳レコードを叩き出したリスグラシューの未勝利戦。その時計面も然ることながら、本馬はこのレースで実にそつのない競馬を展開している。

 3枠5番の内目の枠から好スタートを切り、4番手の好位に取り付くと内々を上手く立ち回り、最後の直線ではスムーズに先頭に躍り出てそのまま押し切っている。阪神JFでソウルスターリングが見せた競馬と似通っており、豪快なイメージのあるここ2戦の走りとは対照的だが、これが本馬にとっても理想的な競馬といえるのだろう。

 陣営が常々「距離はもっと伸びた方が良い」と口にしているのも、キャリアで唯一マイル戦よりも長い距離を使ったこの一戦の内容があったからであり、4馬身ちぎり捨てた2着馬ガンサリュートは後の京成杯(G3)2着馬でもある。

 ガンサリュートがその後、京都2歳Sの覇者カデナと0.1秒差、コマノインパルスとタイム差なしの競馬をしていることからも、この馬を0.7秒ちぎったリスグラシューの未勝利戦の走りが、如何にハイレベルだったのかがわかる。おそらく、これが本来のこの馬の姿なのだろう。

 したがって、この春2冠で今年の牝馬クラシックがリスグラシューの「1強」になる可能性は確かに存在している。武豊騎手にとっては、1993年に2冠を達成したベガ以来のチャンスといえる。

 しかし、それと今回のチューリップ賞の結果が結びつくとは限らない。ベガはチューリップ賞と桜花賞を連勝したが、先週も阪急杯(G3)と中山記念(G2)で本番を見据えた多くの有力馬が後れを取ったように前哨戦には独特の難しさがある。それだけに過信は禁物だ。
(監修=下田照雄(栗東担当))

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