JRA C.ルメール「11番目」の被害濃厚!? アーモンドアイ、グランアレグリアでも裏切り…安田記念(G1)名手を待ち受ける「見えない敵」との戦い
好天に恵まれた今年の日本ダービー(G1)は、武豊騎手が騎乗したドウデュース(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が勝利。東京競馬場に詰め掛けた大観衆も、史上最多6勝目のダービージョッキーに輝いたレジェンドのウイニングランを見守った。
「ジョッキーをやっていてこれほど幸せな瞬間はないですね。これからもドウデュースとともに世界も含めて頑張っていきたいと思います」
会心の勝利をそう振り返った武豊騎手だが、3着に敗れた皐月賞(G1)は、1番人気の支持を裏切る結果。日本ダービーで3番人気に評価を落とした背景に、前走の敗戦も少なからず影響したのだろう。
その一方、3歳世代の頂点を決める大一番で1番人気に支持されたのは、お笑い芸人・霜降り明星の粗品の友達ことマイ億君が本命に指名したダノンベルーガだ。1週前、最終追い切りで抜群の動きを披露しただけでなく、伸びない内目を先行しての皐月賞4着も評価された。
ジオグリフを一蹴した共同通信杯(G3)と同じ、東京コースに舞台が替わることを好材料と考えたファンも多かったはずである。前走に続き4着に敗れたことに対し、「粗品の呪い」もSNSでトレンド入りしたものの、それ以前に史上最悪のペースで続く、G1レースにおける1番人気馬の連敗にも注目しておきたい。
C.ルメール「11番目」の被害濃厚!?
何しろ今年のG1は、フェブラリーSから始まって日本ダービーまで10連敗。昨年のホープフルS(G1)も含めると11連敗中なのだ。さすがにここまで続くとマイ億君以上に、呪われているとさえ思える惨状だ。
勿論、レースにおける各馬の人気は、馬券を購入するファンが作り出したものであり、必ずしも出走馬の実力と一致する訳ではない。とはいえ、1番人気の皐月賞で敗れたドウデュースが、3番人気で巻き返したのも妙に納得がいく。
余談ではあるが、JRAが指定した対象5レースすべての1着馬を予想するWIN5においても、G1などのメインレースが宛がわれる対象5レース目は、1月10日の淀短距離S(L)を1番人気スマートクラージュが制して以降、21連敗という有様。その結果、キャリーオーバーこそ出ていないが、毎週のように高配当の払戻が続いている。
となると、安田記念(G1)もまた「1番人気=苦戦」の図式が成り立つのではないか。
『netkeiba.com』の想定によると、単勝の予想オッズはシュネルマイスターの1番人気が濃厚だが、ルメール騎手自身も1番人気馬に騎乗した安田記念には、ほろ苦い思い出も少なくない。
大本命アーモンドアイと挑んだ2019年は3着、20年も2着に敗れた上に、昨年もグランアレグリアとのコンビで2着。単勝オッズ1倍台の馬に騎乗しながら、3年連続で不覚を取っており、決して得意なレースとはいえない。
2着に敗れたダービーの鬱憤を晴らしたい名手にとっても、G1の1番人気と自身の連敗ストップが懸かる正念場となりそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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