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JRA菊花賞(G1)閑古鳥で「G2降格」の危機!? 武豊の夢に続々名乗りも…トップクラスが「ほぼ壊滅」の異常事態

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JRA菊花賞(G1)閑古鳥避けられず「G2降格」の危機!? 武豊の夢に続々名乗りも…春のトップクラスが「ほぼ壊滅」の異常事態の画像1
ドウデュース 撮影:Ruriko.I

 夏競馬の真っ只中にある現在だが、日本競馬の悲願ともいわれる凱旋門賞(仏G1)に挑戦する馬の情報も次々に入ってきた。

 既に参戦を表明しているキーファーズと武豊騎手の夢を繋ぐドウデュースに続き、今年の天皇賞・春(G1)と宝塚記念(G1)を制したタイトルホルダー、2年連続で挑むディープボンドに加え、ステイフーリッシュ陣営も参戦を発表。なかなかの豪華なラインアップで臨むことになりそうだ。

 現役トップクラスの馬が世界最高峰とされるレースに挑戦することは歓迎すべきではあるが、もはや“ラスボス” ともいえる凱旋門賞には過去多くの挑戦者が返り討ちに遭ってきた苦い記憶もある。競馬ファンとしては非常に楽しみなレースではあるものの、その影響で国内の競馬が手薄になる現実とも向き合わなければならない。

 3歳世代を代表して参戦するダービー馬ドウデュースについては、マイルの朝日杯FS(G1)を制しているように距離延長については未知数。血統的に長距離をこなせそうな雰囲気はあるが、主戦が武豊騎手ということもあり、陣営が掲げる「凱旋門賞制覇の夢」を支持する声も多く理解は得やすいだろう。

菊花賞 閑古鳥避けられず「G2降格」の危機!?

 その一方、ラスト1冠となる菊花賞(G1)については、予想以上にトップクラスの馬の参戦が期待できなさそう。昨年の菊花賞を制したタイトルホルダーが頂点まで上り詰めたが、今年のメンバーレベルはかなり低くなるのではないか。

 なぜなら春のクラシック2冠で好走した馬の大多数が、おそらく菊花賞に出走しないからである。以下は今年の牡馬クラシック春2冠で上位に入った馬の一覧だ。

■皐月賞
1着ジオグリフ
2着イクイノックス
3着ドウデュース
4着ダノンベルーガ
5着アスクビクターモア

■日本ダービー
1着ドウデュース
2着イクイノックス
3着アスクビクターモア
4着ダノンベルーガ
5着プラダリア

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イクイノックス

 ドウデュースの不在は既定路線だったとはいえ、両G1で連続2着のイクイノックスは天皇賞・秋(G1)に出走を宣言。ジオグリフは皐月賞(G1)を制したが元々が喉鳴りの持病持ち。ダービーでさえ凡走した経緯を踏まえると菊の参戦はゼロに近い。

 また、ダノンベルーガもダービー後に川田将雅騎手が「リズム良く競馬ができました。直線もスペースができて、あとは伸び勝つだけだった」とコメントしており、距離が長かった可能性も否定できない。芝1800m戦の共同通信杯(G3)で強い勝ち方をしていることを考えると、さらに距離が延びる菊花賞を選択する可能性は低いだろう。

 そうなると上位入線した馬で菊花賞に出てきそうなのはアスクビクターモアくらい。これから夏の上がり馬の出現に期待したいところだが、メンバーレベルは驚くほど急落するのではないか。

「近年の菊花賞軽視の風潮からある程度の推測はしていましたけど、改めて見てみると結構な惨状かもしれませんね。かつては3歳馬が天皇賞・秋に挑戦することはレアケースだったのですが、最近はもうこちらがラスト1冠のようになりつつあります。

実際、天皇賞・秋も芝3200m条件から現在の芝2000mに変更された経緯もありますから、そう驚くことでもないのかもしれません。それでも昨年の菊花賞馬タイトルホルダーが、“最も強い馬”を証明しているだけに、まだまだ存在意義はあると思いたいです」(競馬記者)

 だが、このままの状況が続けば「実質G2」レベルの扱いをされる未来もそう遠くない異常事態ともいえる。天皇賞・春も含めた長距離軽視の風潮は時代の流れとはいえ、今後も向き合わなければならない課題となりそうだ。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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