「花の35期生」大活躍に同期トップは蚊帳の外。一向に終わらない負の連鎖で新潟記念(G3)ユーキャンスマイル騎乗も幻に……
先週行われた札幌2歳S(G3)を斎藤新騎手がドゥーラで、新潟記念(G3)を菅原明良騎手がカラテで勝利。小倉2歳S(G3)でも団野大成騎手がバレリーナで2着に入るなど、同期の若手ジョッキーたちが重賞で大活躍の週末となった。
腕利き揃いで「花の35期生」とも呼ばれる彼らの活躍を、同期トップの成績を誇る岩田望来騎手はどのような思いで見つめていただろうか。
自身は先月13日の小倉3Rでの馬場入場時に、騎乗馬が転倒して負傷。「左足打撲」の診断を受けた。自身がここ3週間ほどは戦線離脱を余儀なくされていた中、同期たちの大活躍に複雑な想いを抱いていたかもしれない。
怪我さえなければ、新潟記念で2着したユーキャンスマイル(牡7、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗するチャンスも残されていた。というのも、同馬を管理する友道厩舎から数多くの乗鞍を任されている背景があるからだ。
岩田望騎手にとって友道厩舎は自身が所属する藤原英昭厩舎の次に多く騎乗している厩舎であり、逆に友道厩舎にとって岩田望騎手は川田将雅騎手や福永祐一騎手に次いで騎乗機会の多い騎手である。
先週は川田騎手が札幌メインの丹頂S(OP)でディープモンスター、福永騎手は小倉2歳Sでプロトポロスに騎乗予定があったことに加え、ユーキャンスマイルの近8走で手綱を取り続けた藤岡佑介騎手も札幌で騎乗。仮に岩田望騎手が空いていれば、騎乗依頼が回ってきても不思議ではない。
またユーキャンスマイルに騎乗した石橋脩騎手は、過去1度だけ同馬に跨り勝利しているとはいえ、それはもう4年も前の話。重賞に限らず友道厩舎の管理馬とは今年初コンビだっただけに、今回は偶然空いていた石橋騎手に白羽の矢が立った可能性はある。
一向に終わらない負の連鎖…
そう考えると尚更、岩田望騎手にとっては大きなチャンスを逃してしまったと言わざるを得ない。2着に好走したユーキャンスマイルに騎乗できていれば、重賞を勝てていたかもしれないのだから……。
振り返れば、今年の岩田望騎手はロータスランドと京都牝馬S(G3)で待望の重賞初制覇を飾り、続けて騎乗した高松宮記念(G1)でも2着とG1でも初めて3着以内に好走。一時は、全国リーディングで川田将雅騎手に次ぐ2位につけるなど過去最高の充実期を迎えていた。
ところが、5月の京都新聞杯(G2)で受けた2日間の騎乗停止をキッカケに流れが変わり、そこからは勝利数が減少。全国リーディングでも現在5位までランクダウンしている。それに加え、チャンスを喪失したかもしれない今回の負傷による戦線離脱は、まさに踏んだり蹴ったりといったところだろう。
とはいえ4年目を迎えた「花の35期生」の中では、すでに通算272勝と上述した同期3騎手と比較しても勝利数で大きく上回っている岩田望騎手。復帰時期は未定なものの、悪い流れを早めに断ち切り、秋以降の巻き返しに期待したい。
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