武豊「強奪成功」にC.ルメールは心中複雑!? ライトクオンタムに続きまたしても…牝馬クラシック戦線で二人の名手に明暗
先週の東京競馬場では11日にクイーンC(G3)、12日に共同通信杯(G3)が開催。どちらもクラシックを占う上で重要な一戦だけに、注目したファンも多かったのではないだろうか。
また、12日に阪神競馬場で行われたこぶし賞(3歳1勝クラス)も、クラシックを見据える上では知る人ぞ知る出世レースであることは見逃せない。
過去10年の勝ち馬を振り返っても、メイショウマンボとスタニングローズの2頭の3歳牝馬G1ホースを輩出。かつてはノーリーズンやカレンブラックヒルなどのG1馬も、同じようにこのレースをステップに飛躍を遂げている。
そんな今年のこぶし賞を制したのは、武豊騎手の1番人気モズメイメイ(牝3、栗東・音無秀孝厩舎)だった。
7頭立て芝1600mのレース。好スタートを決めたモズメイメイは、押し出されるようにハナに立つ。最後の直線に入ってもスピードは衰えず、見事な逃げ切り勝ちを決めている。
レース後には「軽い走りをする馬だし、きれいな馬場は良かった」と鞍上が振り返った通り、開幕週の良好な馬場状態も追い風だったかもしれない。とはいえ、備えているスピード能力には目を見張るものがあった。「マイルも問題ない」というレジェンドの言葉からも、今後は桜花賞(G1)を視野に入れている可能性が高そうだ。
武豊騎手の3歳牝馬のお手馬といえば、シンザン記念(G3)を勝ったライトクオンタムがいるが、仮に同馬が桜花賞に出走できない事態になっても、モズメイメイがいることは心強いはずだ。そういった意味では、今回の勝利は嬉しい悲鳴となっただろう。
武豊騎手「強奪成功」にC.ルメール騎手は心中複雑!?
一方、過去にモズメイメイの鞍上を務めたC.ルメール騎手にとっては、どこか複雑な思いがあったかもしれない。
昨年、モズメイメイの新馬で手綱を取ったルメール騎手は、好位から抜け出す快勝でパートナーをエスコート。レース後には「道中は真面目に冷静に走っていて、直線はいい脚を使ってくれました。能力がありそう」とポテンシャルを絶賛していた。
続くつわぶき賞(2歳1勝クラス)は、ルメール騎手が同週の香港国際競走に騎乗するため国分恭介騎手に乗り替わりとなったが、今回は自身に手綱が戻ってきても不思議ではない状況だった。そんな中で、新たに手綱を任された武豊騎手に勝たれてしまっては心中穏やかではないだろう。
さらにいえば、上記で触れたライトクオンタムも、元々はルメール騎手が新馬勝ちに導いた馬だった。「乗りやすかったですし、能力があります」「さすがはディープの仔です」と絶賛した逸材だったが、自身が正月休暇中のためシンザン記念は武豊騎手に乗り替わり。見事に勝利したことからも、こちらも武豊騎手にお株を奪われた印象がある。
それだけでなく、クラシック世代の牝馬戦線においては、特に苦戦が続いているルメール騎手。自身が新馬勝ちに導いたエナジーチャイムは、京王杯2歳S(G2)で4番人気8着、フェアリーS(G3)で3番人気14着と結果を出せていない。さらに、先週はクイーンCで1番人気に推されたウンブライルの手綱を任されたが、こちらも6着と不発続きの状況だ。
牝馬クラシック戦線においては、武豊騎手とルメール騎手の間で大きく明暗が分かれている。
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