JRA陣営の評価はダノンスマッシュ、ダイアトニック以上!? 高松宮記念(G1)への参戦も決定…辛勝に見えて「七、八分くらい」と豪語したアグリ

3月に入り、26日に高松宮記念(G1)の開催を控えている中央競馬。昨年は初重賞勝ちをG1で決めた8番人気の伏兵ナランフレグが大金星を挙げ、2着3着にも穴馬が入った3連単の払戻は278万円の大波乱に終わった。
これは近年のスプリント路線に絶対的な王者がいないことも関係している。2018年に春秋スプリント制覇に成功したファインニードルの後は、目まぐるしく勝ち馬が変わり、マイル女王グランアレグリアの優勝こそあれ、同馬の大目標は2000mの天皇賞・秋(G1)だった。中距離の王道に比して層の薄さが目立っている状況だ。
注目の前哨戦となる阪急杯(G3)も断然人気に推されたグレナディアガーズが不可解な敗戦を喫し、2番人気で優勝したアグリ(牡4、栗東・安田隆行厩舎)も重賞勝ちのないダディーズビビッド相手にクビ差の辛勝。勢力図を一変するまでのインパクトはなかったように感じる。
ただ、レース後に陣営の出したコメントを見せられると、再考の余地は大いに残っているのかもしれない。

手綱を任された横山和生騎手は、連勝前の昨夏に1度騎乗したことがあり、今回が2度目のコンビだった訳だが「全てにおいて、馬の雰囲気から、芯の入り方から、何から何までガラッと変わっていました」と驚きを隠さなかった。続けて「ここで勝ち切れたというのはとても大きい」「連勝して重賞まで制覇するというのは素質も無ければできない」と大絶賛に終始するコメントを残している。
辛勝に見えて「七、八分くらい」と豪語
パートナーの能力に太鼓判を押した横山和騎手だが、それ以上に注目すべきは安田景一郎助手から出た驚きの発言だろう。
初重賞勝ちの懸かった舞台で「七、八分くらいの出来」だったと明かし、「この状態で勝てたことで楽しみが広がりました」とコメント。重賞5勝馬のダイアトニックやスプリントG1勝ちのあるダノンスマッシュに近づける馬と評したのだから、相当な手応えを掴んだということになる。
実際にアグリの連勝した内容を振り返ってみると、一戦ごとにレース内容に進境を見せている。伏線があったのは前走の六甲アイランドS(3勝クラス)だ。その前の2連勝は、前残りのスローペースを先行しての抜け出しであり、展開に恵まれた印象も強かった。
しかし、3連勝を決めた六甲アイランドSは、前半からハイペースの激流を2番手から抜け出す堂々たる勝ちっぷり。単純に前残りのお陰で連勝している訳ではないと証明している。それでもG1馬グレナディアガーズ相手には分が悪いと見られた結果、離れた2番人気となった訳だが、競りかけてきたメイショウチタンに翻弄されることなく、再び2番手から抜け出しての勝利だった。
勝ちタイムの1分19秒5も優秀で、これは過去10年の阪急杯で2021年にレシステンシアがマークした1分19秒2のレコードに次ぐ2位。これだけでも十分に評価できる内容である。それに加えて陣営の「七、八分」というコメントもあれば、アグリの底知れない可能性も伝わる。
陣営は次走で高松宮記念への挑戦も表明。来春に引退が迫る安田隆行調教師としても力が入る。ナムラクレアやメイケイエールらの強敵を破り、5連勝で頂点へと駆け上がるようなら、厩舎の大先輩であるロードカナロアに続くスプリント界の絶対王者となるかもしれない。
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