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吉田隼人「乗り替わり」と吉田豊の継続騎乗、過去にはゴールドシップやステラヴェローチェでも物議…調教師のスタイルも影響か

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吉田豊騎手

 吉田豊騎手と吉田隼人騎手の兄弟で大きく明暗が分かれることとなった。

 先月末のサウジC(G1)を制し、約13億円の賞金を手に入れたパンサラッサ。大一番の騎乗を任された吉田豊騎手は、10%にあたる約1億3000万円という大金をゲットした。これは1着賞金がフェブラリーS(G1)の1億2000万円すら上回る額であり、関係者やファンにとっても衝撃の事実だったかもしれない。

 その吉田豊騎手はドバイワールドC(G1)でも引き続きパンサラッサへの継続騎乗が陣営から発表済みだ。ちなみにこちらの1着賞金は約9億円。換算レートによっては歴代2位、もしくは3位とされているだけに、もしドバイを勝つようなら単独トップも視野に入ってくるだろう。

 パンサラッサの主戦として吉田豊騎手を起用した矢作芳人調教師は、旧知の間柄である戦友を抜擢したことが、逃げる競馬で素質を開花させたパートナーの快進撃を支えているといえそうだ。

 メキメキと頭角を現した愛弟子の坂井瑠星騎手も、逃げが得意な騎手ではあるが、それでも吉田豊騎手に対する揺るぎない信頼が伝わる騎手起用だろう。

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吉田隼人騎手

 これに対し、弟の吉田隼騎手にとっては残念な知らせが続いた。

 海外メディア『アジアンレーシングリポート』が7日付で報じた情報によると、白毛のアイドル馬ソダシの今年初戦は、ヴィクトリアマイル(G1、東京・5月14日)と決まったらしいのだが、D.レーン騎手とのコンビで参戦するようだ。

 昨年のヴィクトリアマイルを制した吉田隼騎手は、ソダシのデビュー戦から14戦連続で主戦を任されていた名コンビ。連覇を懸けて挑む舞台だっただけに、ネットの掲示板やSNSなどでは、突然の降板にショックを受けたファンの声も見られた。

 また、ソダシだけではなく金鯱賞(G2)に出走を予定しているポタジェも、岩田望来騎手とのコンビが想定されており、吉田隼騎手としてはG1を獲ったパートナーが立て続けに乗り替わるという状況となった。いずれも金子真人オーナー(名義は金子真人ホールディングス)の所有馬ということで、両者の間に何かしらの確執でもあったのではないかと心配する声もある。

 その一方、ソダシを管理する須貝尚介調教師の場合、こういった乗り替わりは過去にも話題になった人物だ。内田博幸騎手とのコンビでG1を4勝していたゴールドシップでは、騎乗内容への不満もあってか、2番人気に推された2013年のジャパンC(G1)で15着に大敗したタイミングで乗り替わり。復帰戦に注目の集まるステラヴェローチェに関しても、横山典弘騎手から吉田隼騎手、そしてM.デムーロ騎手へと乗り替わった。そういう意味では、騎手起用に多少ドライな一面も見せている。

 今回の乗り替わりもオーナー主導か、はたまた須貝調教師の意図によるものかは定かではないが、いずれにしてもファンの支持を集めたコンビが解散することは事実である。

 こういった乗り替わりは珍しくないことではあるが、ファンの間でも歓迎派と反対派の間で物議を醸している今回の一件。はたして吉と出るか凶と出るか。現役馬でトップクラスの人気を誇るソダシだけに大きな注目を集めそうだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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