
【毎日杯(G3)展望】ドバイ遠征で不在C.ルメールから「乗り替わり」キングズレインVSノッキングポイント! 新コンビを組むのは誰?
25日、阪神競馬場では毎日杯(G3)が行われる。過去6年の勝ち馬のうち3頭(アルアイン、ブラストワンピース、シャフリヤール)が後にG1を制した屈指の出世レースでもある。芝の外回り1800mで行われる一戦を展望していこう。
キングズレイン(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、3着した昨年のホープフルS(G1)以来の競馬を迎える。当初は弥生賞ディープインパクト記念(G2)からの始動を予定していたが、熱発で回避。症状次第では青葉賞(G2)での復帰も検討されていたが、幸い経過は良好で、初の関西遠征を敢行して賞金加算を狙いにきた。
2走前の百日草特別(2歳1勝クラス)までは中団前目からの競馬を見せていたキングズレインだが、前走のホープフルSは初めての後方待機策。逃げ・先行馬が上位に残るスローな展開の中、4コーナーで大外を回す大味な競馬だったが、メンバー最速の上がり34秒3の切れ味を披露した。
調教で見せる素軽いフットワークから、中山2000mより阪神1800mの方が合っているのは間違いない。今回はマークされる立場となるが、あっさり突破しても不思議ではないだろう。
鞍上は近2走の手綱を取ったC.ルメール騎手がドバイ遠征で不在のため、岩田康誠騎手へ乗り替わる。岩田康騎手が関西圏の重賞で関東馬に騎乗する機会は年に3~4回しかなく、最後の勝利はヌーヴォレコルトで制した14年ローズS(G2)までさかのぼる。代打騎乗で一発回答を出すことができるか。
キングズレインと同じくルメール騎手が主戦を務めるノッキングポイント(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)も素質上位の1頭。こちらは藤岡佑介騎手と初コンビを結成する。
将来の活躍を予感させたのは昨年6月のデビュー戦。後にデイリー杯2歳S(G2)を勝つオールパルフェを寄せ付けず、3馬身差の圧勝Vを飾った。
ところが、4か月の間隔を空けて臨んだ2戦目のサウジアラビアRC(G3)では単勝1.4倍を裏切っての4着。さらに年明け初戦のジュニアC(L)でも6着に沈み、評価が急落。その後は、出直しを図った2月東京の自己条件(3歳1勝クラス)で、待望の2勝目を挙げ、改めて強豪馬相手に力試しの一戦を迎える。
キングズレインと同様に初の関西遠征も課題とはなるが、もう一つのポイントが初の1800m戦。デビューから一貫して1600mだけを使われていたが、このタイミングでの距離延長がどう出るか。
血統的には母のチェッキーノがフローラS(G2)を勝ち、オークス(G1)でも2着しており、距離延長がプラスに転じる可能性も低くはなさそうだ。
オメガリッチマン(牡3歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、前走の京成杯(G3)がジュニアCから中9日という変則ローテ。9頭立ての最低9番人気に甘んじたが、中団から末脚を伸ばして2着を確保した。
勝ったソールオリエンスには2馬身半差をつけられたが、セブンマジシャンには先着。前走の好走がフロックだったのかどうか、今回は試金石の一戦となる。
アドマイヤイル(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は、21年の1歳セレクトセールで2億900万円(税込)の高値を付けたサクソンウォリアー産駒。デビューは今年に入ってからとやや遅かったが、2戦目で勝ち上がり、今回が昇級初戦となる。前走から400mの距離短縮がカギとなりそうだ。
将来性を感じさせる走りを披露してきたドゥラメンテ産駒の2頭にも触れておきたい。
シーズンリッチ(牡3歳、美浦・久保田貴士厩舎)は、キングズレインが勝利した百日草特別で1番人気に支持された逸材。しかし、そのレースで4着に敗れると、前走・共同通信杯(G3)ではブービー11番人気まで評価を下げていた。その一戦は6着に敗れはしたが、勝ったファントムシーフとは0秒5差なら悲観することはないだろう。
セレンディピティ(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)は、2走前のホープフルSで8着に敗れたが、3着キングズレインとは0秒3差と差のない競馬。1番人気に支持された前走の若駒S(L)でも5着と期待を裏切ったが、荒れた馬場で脚を取られたことなど敗因は明らか。新コンビを組む吉田隼人騎手が新味を引き出せれば上位争いは十分可能だろう。
この他には、つばき賞(3歳1勝クラス)2着のエマヌエーレ(牡3歳、栗東・平田修厩舎)、同レース3着のドクタードリトル(牡3歳、栗東・今野貞一厩舎)、セントポーリア賞(3歳1勝クラス)4着のフェイト(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)なども反撃態勢を整えている。
いずれもルメール騎手からの乗り替わりで有力馬への騎乗機会を得た岩田康騎手と藤岡佑騎手。代打起用に応えるのは果たしてどちらになるのか。発走は25日、15時35分を予定している。
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