G1「110連敗男」に訪れた悲願達成のチャンス! 武豊の再来と呼ばれた元天才は昨年も期待ハズレ…横山和生、岩田望来から二転三転の「ドタバタ交替劇」に注目集まる

5月7日に東京競馬場で行われるNHKマイルC(G1)。3歳マイル王の座を懸けて争われる一戦で、上位人気が予想されるドルチェモア(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)だが、本馬の1週前追い切りに、関東の三浦皇成騎手が駆け付けたようだ。
栗東のCWコースで三浦騎手を背に追い切られたドルチェモアは、先行する僚馬を後ろから追い掛けて併入。6ハロンで81秒0-11秒5の好タイムをマークし、力強い脚取りを確認した須貝調教師も「朝日杯前くらいに戻ってきた」と手応えを感じていた。
デビューから3連勝で頂点に立ち、2歳牡馬マイル王の称号を獲得したドルチェモア。前走のニュージーランドT(G2)で単勝1.7倍の大本命に支持されたが、まさかの7着に完敗。4コーナーを先頭で迎えながらも、直線半ばで早々に失速してしまった。
レースで騎乗していた横山和生騎手が「気持ちの面がいつもと違った」としつつも、「それにしても負け過ぎ」と首を傾げていた前走の敗戦。2歳時に優勝した朝日杯フューチュリティS(G1)当時の動きが戻ってきたようなら、休み明けを一度使われたことにより、戦闘態勢が整ったということだろう。
二転三転の「ドタバタ交替劇」に注目集まる
しかし、少々不可解に感じられるのは、NHKマイルCでコンビを組むドルチェモアのパートナーが、ここまで二転三転していたことである。
そもそも本馬は横山和騎手を背に昨年8月札幌でデビュー勝ち。続く10月東京のサウジアラビアロイヤルC(G3)で無敗のまま重賞を制覇した実力馬だ。その後、坂井瑠星騎手へと乗り替わって朝日杯FSを優勝。NZTで再び横山和騎手の手綱に戻ったものの、こちらはNHKマイルCと同週に行われるケンタッキーダービー(米G1)に坂井騎手が騎乗するため、“一時的な復縁”だったと思われる。
それを証明するかのように、本番でも続投濃厚と見られた横山和騎手ではなく、岩田望来騎手との新コンビ結成が『スポーツ報知』に報じられたものの、1週前追い切りに騎乗した三浦騎手が最終的にNHKマイルCで騎乗すると発表されたのだから、陣営による騎手の選択は、ちょっとしたドタバタ劇のように映っても仕方がないだろう。
その一方、願ってもない絶好のチャンスを手に入れたのは、白羽の矢が立った三浦騎手だ。
2008年度のJRA騎手免許試験に合格した三浦騎手は、天才といわれた武豊騎手が持つ新人年間最多勝記録の69勝を塗り替える91勝を挙げる大活躍。天才の再来と大きな期待を集めたのだが、2年目以降は成績が伸び悩み、気が付けば後輩騎手がリーディングを上回ることすら珍しいことではなくなった。その姿は、大人になって表舞台から姿を消した元天才子役といわれた俳優にも通ずる部分がある。
彼がデビュー時の輝きを失った理由の一つとして考えられるのは、やはりJRA・G1のタイトルを獲得できずにいることではないだろうか。
地方との交流重賞では、2014年の全日本2歳優駿(G1)、2022年のJBCスプリント(G1)の優勝があるとはいえ、厳密にはJpn1。JRA・G1の場合は、鳴り物入りのデビューから16年目を迎えた現在で目下110連敗中という有様だ。順風満帆だった当時を思えば、三浦騎手本人が一番驚いていたとしても不思議ではない。
かといって、110連敗の中に2着2回、3着7回が含まれているように、まったくチャンスがなかった訳ではないことも事実。惜しい競馬まではあっても、最後の最後で“詰めの甘さ”を払拭できなかったことが、かつての天才があと一歩のところで悲願達成に足踏みをしている遠因ともいえるのだろう。今年の大阪杯(G1)でJRA・G1の80勝を決めた武豊騎手とは残酷なほど対照的な結果だ。
思えば昨年暮れのホープフルS(G1)も三浦騎手による初G1制覇が期待された大一番だった。このときは2戦無敗で東京スポーツ杯2歳S(G2)を制したガストリックとコンビを組んで4番人気に支持されたが、期待ハズレの16着に惨敗。脚部不安で皐月賞(G1)を回避しただけに、ホープフルSの頃から脚元に爆弾を抱えていた可能性も考えられる。
これに対し、陣営が復調をアピールするドルチェモアとの思わぬめぐり逢いは、G1・110連敗男にとってまたとない絶好機。来月7日の東京で越えられなかった高い壁を越えたとき、元天才の待ちに待った“その日”が訪れるかもしれない。
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