「G1・3着でも2着でもクビ」ジャスティンパレス元主戦にまたも「無情」乗り替わり…外国人騎手の“食い物”にされる昨年トップ10入り若手騎手の試練

「(京都リニューアル後の)最初の天皇賞を勝てて、本当に嬉しいです。3、4コーナーから勝つ自信があった。直線に向いて『絶対勝つ』と思いました。エンジョイしました!」
ジャスティンパレスが高らかと世代交代を告げた先週の天皇賞・春(G1)。ゴール後に左手を突き上げて派手なガッツポーズを繰り出したC.ルメール騎手は、レース後にそう喜びを爆発させた。
ルメール騎手にとっては、現在世界1位に君臨するイクイノックスに続く“2本目の剣”を手に入れたようなものだ。「長距離でスーパーホースになったから、有馬記念(G1)でもいいレースができると思う」という言葉の裏には、ジャパンCをイクイノックス、有馬記念はジャスティンパレスという目論見があったかもしれない。
まさにトップジョッキーだけに許された贅沢な“皮算用”だが、同じ京都に参戦しながらもメインレースで騎乗がなかった鮫島克駿騎手は、自身より一足早く待望の初G1制覇を勝ち取ったジャスティンパレスの姿を何とも言えない心境で見守っていたのではないだろうか。

昨年、クラシックの壁にぶつかった若きジャスティンパレスを神戸新聞杯(G2)で重賞ホースにし、菊花賞(G1)でも0.1秒差の3着に好走させて世代のトップレベルの評価まで引き上げたのが、秋からコンビを組んだ鮫島駿騎手である。
この2走で一気に全国区になったジャスティンパレスだが、次走の有馬記念(G1)ではT. マーカンド騎手に乗り替わり。年が明けてからはルメール騎手が主戦を務めることになった。
大きな舞台を狙える有力馬がトップジョッキーに乗り替わることは、昨今の競馬では決して珍しいシーンではない。しかし、鮫島駿騎手は昨年リーディングトップ10に食い込んだ、紛れもないトップジョッキーの1人でもある。
無論、マーカンド騎手、そしてルメール騎手は世界的な評価を受けている名手に違いないが、今年9年目といよいよ脂がのってきた若手騎手に「もう少しチャンスがあってもいいのでは」と思うのは筆者だけではないだろう。
実際に昨年のトップ10でG1ジョッキーでないのは、まだ4年目だった岩田望来騎手と、鮫島駿騎手だけだ。
「G1・3着でも2着でもクビ」またも「無情」乗り替わり…
そんな鮫島駿騎手に、今週になって再び残念なニュースが届いた。先月の桜花賞(G1)の2着馬コナコーストがオークス(G1)でD.レーン騎手に乗り替わるというのだ。
コナコーストはデビュー戦から鮫島駿騎手が騎乗しており、新馬戦勝利時には「攻め馬で能力があるのはわかっていたので、勝ちにこだわって乗りました。強い競馬でしたし、これから先の期待が大きい馬だと感じました」と惚れ込んでいた逸材だ。
その後は、エルフィンS(L)2着、チューリップ賞(G2)でも2着と勝ち切れなかったが「継続騎乗で一緒にやってきたので、タイトなレースで生かすことができた」とコンビ継続で得た成長に手応えを感じていた。
その集大成となったのが、先月の桜花賞だった。「ある程度、時計の出る馬場でしたし、インが有利だったので、思い切って積極的に力を出し切ることを考えていた」と振り返る鮫島駿騎手の騎乗はほぼ完璧だった。
レース後に元JRA騎手の安藤勝己氏が「普通の年なら桜花賞馬やったかもしれないね」(公式Twitter)と労った通り、主な敗因は同世代にリバティアイランドという“怪物”がいたことに尽きるだろう。
ちなみにデビューからこれまで合計24回JRAのG1に挑戦している鮫島駿騎手だが、最も期度が高かったのが、ジャスティンパレスと挑んだ昨年の菊花賞の4番人気。それ以外の騎乗馬はすべて6番人気以下の伏兵だ。
そんな状況にもかかわらず、2着2回3着1回を含む計8回の掲示板があるのは、紛れもなく鮫島駿騎手の腕によるところが大きいはずだ。
「デビューから続けて乗せてもらっていますし、2着で満足していませんが、良い走りをしてくれました」
自身2度目のG1・2着に終わったコナコーストとの桜花賞で「悔しいです」と気持ちを露わにした鮫島駿騎手。果たして、待望のG1制覇はいつなのか。近いようで遠い。
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