「単勝262.8倍」シンガリ16番人気馬が大激走で今年のJRA最高払戻金額を記録! 来年のダービーウィークでも要警戒?
歴史が繰り返された瞬間だった。
27日、東京9Rに行われた富嶽賞(2勝クラス)は、好位から抜け出した16頭立てシンガリ16番人気のアウリガテソーロ(牡5歳、美浦・加藤士津八厩舎)が優勝。単勝262.8倍の超高配当を演出した。
波乱の立役者となったアウリガテソーロは、先週のオークス(G1)を制して二冠牝馬となったリバティアイランドや、7日のNHKマイルC(G1)を勝ったシャンパンカラー、G1・3勝馬タイトルホルダーなどと同じ今をときめくドゥラメンテ産駒だ。
ただ、本馬は前走と前々走の自己条件でシンガリ負け。ここ4走で2桁着順が続いていただけに、父ドゥラメンテとはいえ超低評価だったのも無理はない。
「砂を被らなければ強いと聞いていました」と鞍上の佐々木大輔騎手がレース後に振り返った通り、ダート1400mの3枠5番からスタートしたアウリガテソーロは積極果敢に先行。前から2番手を悪くない手応えで追走した。
最後の直線に入り、残り300m付近で逃げ馬を交わして先頭へ。ただ超人気薄の馬だっただけに、この時点ではいずれ捕まるものと思っていたファンも多かったと思われる。
しかし、抜け出してからも差を詰められるどころか逆に突き放したことで場内がざわつき始める。最後は1番人気バルミュゼットが猛然と追い込んだものの、1馬身3/4差をつけて完勝を決めてしまった。
「いやぁ驚きました。終わってみればシンガリ人気の馬とは思えない非常に強い内容でした。上手く砂を被らせずにレースを運んだ佐々木騎手の手腕も光ったと思います。今日のレースができれば上のクラスでも通用するのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
なお同馬の単勝2万6280円は、JRAの式別で今年の最高払戻金額となった。レース後のSNSやネット掲示板などには、ファンから「こんなの絶対買えません」「佐々木騎手おそるべし」などのコメントが多く寄せられたのも無理はないだろう。
だが、アウリガテソーロの戦績を振り返ると面白いことがわかる。
来年のダービーウィークでも要警戒?
実は、同馬はちょうど1年前のダービーウィークに行われた東京ダート1400mの自己条件戦でも、前走シンガリ16着から巻き返して1着に入る激走を決めていたのである。
「この時期のこの条件が非常にマッチする馬ということでしょうか。ただ、このことに事前に気づけてたとしても実際に馬券が買えたかどうか……。来年に向けて、ひとまずメモだけは取っておこうと思います」(同)
なお東京4Rに続き、この日2勝目となったアウリガテソーロを管理する加藤士師はレース後、「アテにはなりませんが、勝つときは強いんです」と同馬の意外性を強調するコメントを残している。
近走は凡走続きでも、ある条件になると途端に激走する馬も多いことから、競馬はよく「記憶のスポーツ」とも言われる。アウリガテソーロに関しても、来年のダービーウィークまで忘れないようにしておいた方がよさそうだ。
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