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幸運の「○番人気」はそろそろ無視できない?直近1カ月でG1を3勝、重賞5勝…の大活躍

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ソングライン 撮影:Ruriko.I

 G1ホースが10頭集結したことでも話題を集めた先週末の安田記念(G1)。勝ったのは戸崎圭太騎手が手綱を取ったソングライン(牝5歳、美浦・林徹厩舎)だった。

 前走のヴィクトリアマイル(G1)に続いて東京競馬場・芝1600mの大舞台を制し、ヴィクトリアマイルと安田記念の同一年制覇は女傑ウオッカ以来14年ぶりという快挙。加えて安田記念も前年に続く優勝となり、こちらもウオッカ以来となるダブルの偉業達成となった。

 これで同コースの重賞は通算4勝目という“府中マイルの鬼”であるが、前走から中2週という詰まったローテーションに加えて大外18番枠ということもあってか、最終的な単勝オッズは7.4倍という4番人気に留まった。

 思えば前走のヴィクトリアマイルも4番人気(単勝7.6倍)での勝利であり、さらに前年の安田記念も4番人気(単勝8.2倍)での勝利となっていて、キャリアで手にした3つのG1タイトルはすべて「4番人気」で掴んだものという不思議な歩みとなっている。

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戸崎圭太騎手 撮影:Ruriko.I

 加えて、この春からソングラインとコンビを組んでいる戸崎騎手も、実は「4番人気」と遠からぬ縁を持つジョッキーの一人だ。

幸運の「4番人気」はそろそろ無視できない?

 この春のG1での2勝だけでなく、2021年に制した秋華賞(G1)も4番人気のアカイトリノムスメとのコンビで掴んだもの。そしてその前、2020年のチャンピオンズC(G1)をチュウワウィザードで制した際も4番人気ということで、JRAのG1は「4番人気で4連勝」となった。

 当然ながら騎乗馬の人気は騎手や陣営の手でどうにかできるものではなく、単なる偶然が重なっただけに過ぎないのだが、今年のデータを振り返ってみると気になる部分もある。

 先週の安田記念までで今年のJRA・平地G1は計11レースを消化したのだが、現時点での成績を「人気別」で見てみると以下のようになる。

▼ 2023年JRA・平地G1の人気別成績

・1番人気=【3-2-3-3】
・2番人気=【3-2-0-6】
・3番人気=【0-3-1-7】
・4番人気=【3-0-1-7】
・5番人気=【0-2-1-8】

 ここまで3勝は1番人気・2番人気と並んで最多タイという奮闘ぶり。上位と比較してピンかパーかという部分は否めないものの、しっかりと勝ち切っている点は高く評価できる。

 続いて、G1だけでなく今年のJRA重賞・全61レースでも同じ成績を出してみよう。

▼ 2023年JRA・平地重賞の人気別成績

・1番人気=【14-9-9-29】
・2番人気=【21-14-7-19】
・3番人気=【3-8-8-42】
・4番人気=【7-4-7-43】
・5番人気=【7-6-5-43】

 こちらはさすがに1番人気・2番人気とは差がついているものの、それでも「7勝」は5番人気と並ぶ3位タイという好成績。加えて“ピンパー”だったG1成績とは違い、ここでは複勝率も29.5%と優秀な成績となっているのは強調材料だ。

 特に5月28日の週は京都競馬場で葵S(G3)をモズメイメイが制したのを皮切りに、翌日の東京競馬場では日本ダービー(G1)をタスティエーラが、直後の目黒記念(G2)をヒートオンビートが制覇。同週に行われた3つの重賞をすべて4番人気の馬が勝利するという珍事も起こった。

 そこにソングラインのヴィクトリアマイルと安田記念の2勝を加え、直近1カ月でG1の3勝を含む重賞5勝。この勢いは見逃せない。

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川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 その要因を特定することは困難だが、やはり4番人気の台頭の陰にあるのが1~3番人気の馬の凡走だろう。中でも上述した重賞5勝のうち4つのレースは東京競馬場で行われたもので、そこでは現在の騎手リーディングトップ3に君臨する川田将雅騎手・C.ルメール騎手・横山武史騎手が人気を裏切る敗戦を喫していた。

<ヴィクトリアマイル>
・川田将雅騎手:ルージュスティリア(9番人気=10着)
・C.ルメール騎手:スターズオンアース(1番人気=3着)
・横山武史騎手:ナミュール(2番人気=7着)

<日本ダービー>
・川田将雅騎手:サトノグランツ(7番人気=11着)
・C.ルメール騎手:スキルヴィング(2番人気=17着)
・横山武史騎手:ソールオリエンス(1番人気=2着)

<目黒記念>
・川田将雅騎手:ゼッフィーロ(3番人気=4着)
・C.ルメール騎手:サリエラ(1番人気=3着)
・横山武史騎手:騎乗なし

<安田記念>
・川田将雅騎手:ソダシ(2番人気=7着)
・C.ルメール騎手:シュネルマイスター(1番人気=3着)
・横山武史騎手:ナミュール(9番人気=16着)

 この3人は騎手リーディングのトップ3にして、今年の重賞で3番人気以内の馬に騎乗した回数でもトップ3という実力も人気も兼ね備えたJRAを代表する“3強”ジョッキーと言える。当然ながら有力馬への騎乗も多くなるが、その分だけ過剰に人気を背負うことも珍しくない。

 今週からは北海道での開催もはじまり、本格的に夏競馬がスタートする。難解なレースも多いだけに、困った時の騎手頼みというファンも少なくないことだろう。

 そんな時に彼らの騎乗馬に少しでも怪しさを感じた時は、このところ目立っている「4番人気」の勢いの良さを頭の片隅に入れておくと、思わぬ高配当にありつくチャンスが訪れるかもしれない。

GJ 編集部

GJ 編集部

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