
武豊「絶縁」囁かれたオーナーと雪解けか…新馬戦タッグはワールドプレミアから約5年ぶり、POG「即戦力候補」が次週デビュー!
いよいよ幕を開けた夏の函館開催。次週17日、函館5Rの2歳新馬戦(芝1200m)で武豊騎手を背にデビューを予定しているのが、ビッグアーサー産駒のココシャンパーニュ(牝2歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。
2018年に種牡馬入りした父は、京阪杯(G3)を制したトウシンマカオや函館2歳S(G3)を制したブトンドールといったスプリント重賞勝ち馬をはじめ、葵S(G3)で断然人気を集めたビッグシーザーを輩出。将来の短距離戦線を引っ張る期待の種牡馬として注目を集めている。
ただ、それ以上に注目したいのは、本馬のデビュー戦の鞍上に武豊騎手が指名されたことである。何しろココシャンパーニュを所有する大塚亮一オーナーと武豊騎手のコンビによる2歳新馬戦への出走は、2018年の10月京都でデビュー勝ちを決めたワールドプレミア以来となる約4年8ヶ月ぶりだ。
そしてワールドプレミアで思い出されるのは大塚オーナーと武豊騎手の間で発生した不可解な降板劇だろう。
武豊騎手が好騎乗で本馬を勝利へと導いた2019年の菊花賞(G1)は、少年時代にレジェンドがオグリキャップを復活させたラストラン(1990年有馬記念・G1)に魅せられた大塚オーナーにとっても、感慨深い初G1勝利だったに違いない。
しかし、新馬戦からコンビを組み続けた人馬に突然の別れが訪れることになる。
2021年の日経賞(G2)を前に武豊騎手が怪我のため、石橋脩騎手が代打で騎乗したものの、武豊騎手が戦列に復帰したにもかかわらず、次戦の天皇賞・春(G1)では、陣営から福永祐一元騎手(現・調教師)への乗り替わりが発表。これには陣営が武豊騎手の復帰が本番までに間に合わないことを危惧した可能性を否定できないものの、武豊騎手は別の馬で“元お手馬”の勝利を見つめざるを得なかった。
折しも当時は、一部厩舎従業員に対する新型コロナの持続化給付金不適切受給が競馬界を揺るがしていたタイミング。その指南役と噂された渦中の人物こそ、大塚オーナーであり、騎手会長を務める武豊騎手としても板挟みとなる難しい立場だったかもしれない。
両者の決別が決定的となったのは、その後もワールドプレミアの手綱が天皇賞・秋(G1)でもレジェンドではなく、岩田康誠騎手が騎乗したことで明らかになる。同年には未勝利戦に1度騎乗した程度。ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンから事実上の絶縁に近い状況ではないかと囁かれた。
「絶縁」囁かれたオーナーと雪解けか…
そんな両者の関係に雪解けを感じられたのが、昨年である。
1月のリアドを皮切りに4回コンビを結成すると、11月にはプラチナジュビリーで久々に勝利を挙げた。今年に入ってからも同オーナーが所有する父ディープインパクト×母スイープトウショウの超良血馬スイープアワーズの主戦を武豊騎手が務めるなど、ここにきて復縁ムードが漂い始めている。
「ワールドプレミア降板の頃はどことなくギクシャクした感じもした武豊騎手と大塚オーナーですが、関係が修復されてきたからこそ満を持して2歳新馬の依頼に至ったのかもしれませんね。ゆくゆくはワールドプレミア以来となるタッグでの重賞制覇などにも期待したいところです」(競馬誌ライター)
なおココシャンパーニュは4月7日という早い段階でゲート試験合格を決めており、一旦放牧に出されて5月上旬に再入厩した後も順調に調整が進められているようだ。
育成牧場であるノーザンファーム早来の関係者は『サンケイスポーツ』の取材に対し「前進気勢が強くて、短い距離で良さが出そう。2歳重賞を狙っていきたい」と話すなど、ココシャンパーニュに即戦力としての期待を込めている様子。それだけに、POG(ペーパーオーナーゲーム)の観点から見ても押さえておいて損のない1頭になるかもしれない。
初戦突破を決めれば当然、夏の函館ラストウィークに開催される函館2歳S(G3)が視野に入ってくるだろう。果たして武豊騎手×大塚オーナーのタッグが今後ますます増えていくことになるのか、注目しておきたい。
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