帝王賞(G1)は地方の雄とリピーターに大注目!? 地方競馬愛を炸裂させる桃井はるこの狙い目は? 【モモーイの超!大穴でグッジョブ!第3回】

 中央競馬はG1シーズンが一段落、夏競馬にワクワクする季節ですが、今週水曜日、地方競馬で超アツい「農林水産大臣賞典 第46回 帝王賞」(G1)が待ってますよ♪

 私は初めて競馬を観に行ったのが大井競馬場だったこともあって、最初にハマったのは地方競馬だったのです。

 JRAは土日祝開催が基本ですが、地方競馬は平日やナイターでの開催もあり、平日の仕事が不規則で週末にライブやイベントなどのお仕事がある私のライフスタイルに合っていました。また、レースの生中継や過去映像、出走表やデータがネットで無料で観られるのも、移動時間にちょっと楽しむのにもってこいだったんですね。

 レース自体も魅力的に思えました。中央競馬から転厩して地方で活躍する馬もいますし、中央に比べて、強い馬でも若くして引退せずに長く現役を続けてくれます。これは、ダート競馬が多いため馬の足元に負担がかからないこともあるんでしょうね。

 また、騎手が「騎手服」といってそれぞれ決まった柄の勝負服を着ているので騎手の名前を覚えやすい、レース中に見つけやすいということもありました。世界的に見ても馬主ごとに勝負服を替えるのが一般的なようなのですが私は騎手服、分かりやすくて好きです。

 なお、重賞やオープン競争では馬主服の着用が認められているので、帝王賞ではほとんどの騎手が馬主ごとの柄の勝負服を着るとは思うのですが、普段は自分の服を着ている地方の騎手が重賞で違う勝負服を着ているのも、また、晴れ舞台といった趣でいいものです。逆に、JRAの騎手がNARに乗りに来る時は、自分でデザインした勝負服で騎乗することができるというルールもあり、こちらもレア感がありますよ。

 私にとってとくに印象に残っている勝負服は、2019年に引退した船橋所属の石崎隆之騎手の「胴桃・右緑たすき、そで緑」。ピンク色にエメラルドグリーンが斜めに入ったデザインが鮮やかで、ベテランの風格とのミスマッチが素敵でした。そういえばテレビ中継で凱旋門賞(海外G1)を観戦していた時、連覇したエネイブルを所有するアブドゥラ殿下の勝負服がこれに似ていたので「石崎がパリに!?」と驚いたのですが、画像をよく見て比べてみたら袖の色が違うし緑の地とピンクのタスキの部分が逆だったのでした。

 ちなみにこのデザインは同騎手の功績をたたえるため、新しく使用せず永久保存されるそうですよ。野球でいう永久欠番のような感じですね。また私は、TCKの的場文男騎手や御神本訓史騎手、船橋の澤田龍哉騎手、川崎の田中涼騎手の勝負服など、勝負服に星があしらわれているものが、かっこよくて好きですね。

 さて、話が逸れました。帝王賞の展望に移りましょう。

 私の◎はズバリ、ライトウォーリアです。川崎競馬所属の地方馬を本命とは思い切ったなと驚きましたか? 勝負服を見てみてください。お馴染みの緑と白のシマシマの勝負服からわかるように、馬主はキャロットファーム。中央競馬でも強豪で有名なクラブが馬主で、生産はノーザンファームなのです。2021年、JRAに所属時にはメイショウハリオに先着し太秦ステークス(OP)を勝利した実績もあります。

 今回から鞍上は金沢の名手、吉原寛人騎手に乗り替わり。吉原騎手は約1か月前、5月24日に行われた大井記念(S1)ではセイカメテオポリスで勝利を収めていますし、この春はドバイ国際競走に遠征するなど、今年上半期は充実の騎乗を見せてくれています。ネット上で天才ともガチ原とも呼ばれる吉原騎手が、帝王賞の舞台で、去年の東京大賞典(G1)で地方馬の中で最先着(5着)したライトウォーリアをどうエスコートするのか、今からドキドキですよ。

 対抗以降の印については、帝王賞の「ある法則」にのっとって決めたいと思います。それは「JRA所属の4歳馬が馬券に絡む」ということです。2022年は該当馬の出走がなかったのですが、2021年にはテーオーケインズ(1着)、2020年にはクリソベリル(1着)、2019年にはオメガパフューム(1着)、チュウワウィザード(2着)、2018年は出走なし、2017年はケイティブレイブ(1着)といったように、無視できない成績です。なので、〇は前回の東京大賞典2着馬のノットゥルノ、▲は大井初出走がちょっと心配ではありますが昨年のUAEダービー(海外G2)の勝ち馬、クラウンプライドとします。

 また、地方交流のレースというと固い決着というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、帝王賞の1番人気となった馬の勝利は2015年のホッコータルマエまで遡るくらい、絶対とはいえません。これは、梅雨の間にレースが開催されるため、毎年馬場状態が違うからかな? と思っています。ですが、2、3着にリピーターが絡むケースはよくあるのです。2022年2着のチュウワウィザードが2020年3着、2019年には2着に来ていたり、2021年2着のノンコノユメが2019年には3着など例があるので、去年と一昨年の勝ち馬、メイショウハリオとテーオーケインズは穴党の私もおさえるべきだと思ってます。

 広い大井競馬場で、ナイター設備のライトに照らされ、ダートコースを砂煙を上げて駆け抜けるサラブレッド達の姿は、青空の下のターフとはまた違う、神秘的な魅力に溢れています。私の楽曲に、競馬をモチーフにして作った『Paradise Derby』という曲があるんです。歌い出しは、実はナイター競馬のことをイメージして書いたんですよ。

 サビのフレーズの

「駆け抜けるヒトリと一人 物語の先へ のりうつる幾千の魂の声を聴け」

 ここに、私が感じる競馬の魅力を詰め込んだつもりです。曲名は「ダービー」としたんですけど、競馬全般について歌った楽曲なんです。

 大井外回りコースの直線は386メートル、地方競馬場で一番長く、見応えがあります。すべての人馬が力を出し切って、高鳴る胸の熱さが夏を呼び込むくらい、素晴らしいレースを見せてくれますように、大いに期待いたしましょう! そして錚々たるメンバーの中、地方馬が輝きを放つ瞬間が訪れますように……。

文=桃井はるこ

告知

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●ワンマンライブ「MOMOI HARUKO LIVE 2023『Summer Punch!』」開催間近!
7/15(土) 会場:Veats Shibuya
ローソンチケットにて前売りチケット販売中(Lコード:73417)。
http://l-tike.com/momoi/)

●パーソナリティを務める『THE WORKS』がFM NACK5(79.5MHz)にて毎週日曜日24時から放送中。ラジオやradiko.jpでお楽しみください。
 
※その他、最新情報は桃井はるこ公式サイト

及びツイッターをチェック!
桃井はるこTwitter (@momoiktkr)
事務所Twitter (@RightGauge)
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桃井はるこ

シンガーソングライター、声優。2013年オルフェーヴルの引退レースに感動し、東京大賞典で競馬現地初観戦。中央、地方ともに好き。最強の思い出は2016年有馬記念フェスティバルで一列目を引き武豊騎手とルメール騎手の間の席で観覧したこと。落ち着いたら北海道の牧場にまたひとり旅に行きたいな。

Twitter:@momoiktkr

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