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「引退否定」の名手が意欲の札幌記念参戦! 武豊、川田将雅、横山武史「三強ムード」に待った…7年越しリベンジに吹いた追い風

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「引退否定」の名手が意欲の札幌記念参戦! 武豊、川田将雅、横山武史「三強ムード」に待った…7年越しリベンジに吹いた追い風の画像1
ダノンベルーガ 撮影:Ruriko.I

 20日に札幌競馬場で行われる札幌記念(G2)。秋のG1を視野に入れたトップクラスの参戦も多く、各メディアでは“スーパーG2”と呼ぶ声もある。

 今年も武豊騎手とのコンビで大阪杯(G1)を制したジャックドールを筆頭に川田将雅騎手が大きな期待を寄せるプログノーシス、ダービー馬シャフリヤールや昨年の香港ヴァーズ(G1)を制したウインマリリンなど楽しみなメンバーが揃った。

 17日現在、『netkeiba.com』が公開している札幌記念の単勝予想オッズによると、連覇を狙う昨年の覇者ジャックドールが1番人気の支持。続いてプログノーシス2番人気、シャフリヤール3番人気となっている。

 下馬評的に三強ムードが濃厚な札幌記念だが、前記の3頭から少し離れた4番人気に推されているダノンベルーガ(牡4、美浦・堀宣行厩舎)については、評価を改める必要があるかもしれない。

 元々本馬は現役最強といわれるイクイノックスやドウデュースらと同じ4歳世代の日本ダービー(G1)で1番人気に推された素質馬だ。G1タイトルにはあと一歩のところで惜敗を続けていたが、ポテンシャルの高さは申し分がないだけに、G2ならいつでも勝てるだけの実力を持っているはずだ。

 ただ、そんな馬が4番人気まで評価を落としたことと無関係ではないのが、堀調教師のトーンが上がらなかったことだろう。

 9日の追い切りを見届けた指揮官は「まだ乗り込み不足で緩く、それが反応の鈍さにつながっています。今回は馬の状態に合わせて進めています」と弱気なコメント。「ウイークポイントの右トモをケアしながらの調整」だったとはいえ、休み明けでもそれなりに仕上げてくる名伯楽としては「泣き」と受け取られても不思議ではない表現に感じられた。

 しかし、16日に函館の芝コースで敢行された最終追い切りでは、3頭併せで5F66秒9―37秒4―12秒2の再先着。動きにも力強さが戻っており、これには堀調教師も「さすがオープン馬。直前のひと追いでグンと良化。ピリッとして整ってきた」と手のひら返しの高評価を下した。

「引退否定」の名手が意欲の札幌記念参戦!

 戦前に不安を囁かれたダノンベルーガが戦える状態まで復調したなら、後は陣営が絶大な信頼を寄せるJ.モレイラ騎手に任せるのみ。マジックマンの異名を持つ名手は、16日に短期免許を交付され、8月19日(土曜)から9月18日(祝日・月曜)まで日本で手綱を取る予定。世界を股にかける超一流騎手が騎乗してくれるなら、まさに鬼に金棒である。

 モレイラ騎手には年内で引退という噂も流れたが、本人は真っ向から否定。今年だけでなく、来年の短期免許取得の条件もクリアしており、もちろん来ると現役続行に強い意欲を見せている。

 また、モレイラ騎手にとっても、7年前の借りを返すチャンスとなる。2016年の札幌記念に当時最強マイラーといわれたモーリスとのコンビで挑んだが、伏兵ネオリアリズムの前に2馬身差の完敗。単勝1.6倍の大本命で不覚を取った苦い記憶がある。

 パートナーのダノンベルーガに不安がなくなったなら、後は名手の手腕次第。7年越しのリベンジに追い風が吹いてきた。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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