エピカリスは何故ベルモントS(G1)を選んだのか? 米国主催「日本馬だけ」ボーナス100万ドル!? 米国の競争原理が生んだ露骨「接待」の背景
まず、ボーナスが優勝賞金そのものを上回るという異例の巨額に設定されていること。これは最早”ボーナス”という枠組みを超えている金額だ。ボーナスが適用されない米国の関係者からすれば、堪ったものではないだろう。それだけ景気が良いのなら、単純に優勝賞金そのものを増額する手立てもあったはずだ。
そして、もう一点は、この異例の大ボーナスが外国馬ではなく「日本調教馬」のみに適用されるということ。これも日本の競馬を知る我々からは、考えられない処置だろう。日本なら間違いなく、1つの国だけを極端に優遇するような制度は生まれないはずである。
「原因は、競馬における米国と日本との運営体制の違いですね。米国には日本のJRA(日本中央競馬会)のような全体を統括する組織がありません。そのため競馬場が存在する各州ごとに統括組織が存在し、ルールも微妙に違ったりします。
例えば、ベルモントSの”露骨”なボーナスを決めたのは、ベルモントパーク競馬場を統括するNYRA。昨秋『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』を創設したのはケンタッキーダービーを主催しているチャーチルダウン社と、それぞれ組織が異なります。つまりは日本とは違い、競馬場ごとによる商業的な競争原理が発生しているということです」(競馬記者)
実際にNYRAがここまで積極的に日本調教馬の誘致を行った背景には、当然、昨秋から日本だけでなく、世界的に大きな反響を呼んでいるJRAによる海外馬券発売と、その”マージン”が関係している。
第1弾となったフランスの凱旋門賞(G1)での馬券売上41億8,599万5,100円も然ることながら、今回のベルモントSと同じ日本時間早朝のスタートとなったブリーダーズCフィリー&メアターフも、日本からヌーヴォレコルトが参戦したことで8億596万3,400円を売り上げた。この事実が、NYRAにとって大きな希望となっているようだ。
NYRAの競馬運営担当上席副理事長のマーティン・パンザ氏は「日本の海外馬券発売は限定的ですが、米国競馬が大きく売上げを伸ばすチャンスになると確信している。日本には世界で最も熱狂的な競馬ファンがおり、米国に日本調教馬を引き付け、JRAと協力して仕事ができることを楽しみにしている」などとコメント。やはりJRAが誇る海外馬券の売上に大きな興味を示しているようだ。
「海外馬券発売の際の現地マージンの正確な割合は発表されていませんが、相当な額とのウワサもあります。JRAからすればレースを管理、主催する必要もなく馬券を売れるのですから当然といえば当然かもしれませんが。
考えようによっては、今年から新たに設けられたベルモントSのボーナス100万ドルは、マージンを支払うJRAが負担しているようなもの。これだけの異様な金額設定になったのも、NYRAの計算があったからに他ならないでしょうね。仮に日本馬に勝たれても、向こう側のリスクはほぼないと思いますよ」(同)
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