セントライト記念(G2)有力馬シャザーンを子供扱い!? 川田将雅「秋が楽しみ」から4か月…長距離王国・友道康夫厩舎の「大本命」が急浮上!
「良かったです」
逆襲の秋へ、大器が始動戦を迎える。この春、未勝利とすみれS(L)を連勝し、日本ダービー(G1)で5番人気に支持されたシャザーン(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)の追い切りを終えた岩田望来騎手は、開口一番に手応えを口にした。
18日に開催される菊花賞トライアル・セントライト記念(G2)に向けた1週前追い切り、栗東のCウッドコースから上がってきた岩田望騎手は「来週(最終追い切り)で良くなったら、勝ち負け出来るんじゃないですかね」と強気な発言。見守った友道康夫調教師も「(ジョッキーは)『だいぶ成長している』と言っていました」と管理馬の進化を感じ取ったようだ。
師曰く「血統的にもどうなのかな」と3000mの菊花賞への出走には慎重だが、母クイーンズリングは秋華賞(G1)で2着、翌年のエリザベス女王杯(G1)を制しているように、ちょうどこの時期から上昇カーブを描いていった。息子も春のリベンジを果たし、成長した姿をアピールしたいところだ。
長距離王国・友道康夫厩舎の「大本命」が急浮上!
その一方で、そんなシャザーン以上に注目を集めた馬がいたという。同厩のサトノグランツ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
「この日はシャザーンとサトノグランツに加え、春に大阪―ハンブルクC(OP)を勝ったアーティットと、強豪揃いの友道厩舎らしい豪華3頭併せ馬でした。
アーティットが16日のケフェウスS(OP)、シャザーンが18日のセントライト記念が控えている中、サトノグランツは1週遅い24日の神戸新聞杯(G2)が予定だったので、てっきり(レースが近い)前者2頭が先着すると思っていたのですが、結局、前を行っていたサトノグランツに追いつけず……。
個人的には2頭がイマイチだったというよりも、サトノグランツの充実ぶりが目を引きましたね。シャザーンには(岩田望)騎手が乗って、あちらは助手で余力十分といった感じでしたから……。これは神戸新聞杯が今から楽しみですよ」(競馬記者)
今春、3連勝で京都新聞杯(G2)を制したものの日本ダービーでは11着に惨敗したサトノグランツ。だが、記録した上がり3ハロン33.1秒はタスティエーラ、ソールオリエンス、ハーツコンチェルトら上位3頭を凌ぐ2位タイ。川田将雅騎手も「この短期間でとても良くなった。結果は出ませんでしたが、秋が楽しみ」と不気味なコメントを残している。
「昨年のリーディングジョッキーとして引く手あまたの川田騎手ですが、やはり神戸新聞杯ではサトノグランツに騎乗するそうです。結果次第で当然、本番の菊花賞でもコンビ続投になるでしょうね。今年は皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラが揃って出走を予定している菊花賞ですが、肝心の(距離)適性ではサトノグランツが面白い存在になると思いますよ」(同)
また、サトノグランツの里見治オーナーは菊花賞と非常に相性の良いことでも知られている。
「近10年の菊花賞を振り返っても2016年の勝ち馬サトノダイヤモンドはもちろん、サトノフラッグ(20年3着)、サトノルークス(19年2着)、サトノノブレス(13年2着)と所有馬が限られる個人馬主とは思えない成績を残しています(サトミホースカンパニー名義を含む)。
近10年で4度の馬券圏内は、キャロットファームの3回や、サンデーレーシングの2回を超える馬主1位の好相性。サトノグランツは父が菊花賞馬のサトノダイヤモンドですし『如何にも……』という感じ。ワールドプレミアなど、長距離王国として知られる友道厩舎ですが、今年の“本命”はシャザーンではなく、こちらかもしれません」(別の記者)
近年の菊花賞は、昨年優勝のアスクビクターモアの廣崎利洋氏(名義は廣崎利洋HD)、一昨年優勝のタイトルホルダーの山田弘氏に代表される通り、個人馬主の活躍が目立つレースでもある。
ここ2年の阪神開催では所有馬の出走がなかった里見治オーナー。思い出深い京都開催に戻って、再び脚光を浴びるかもしれない。
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