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【神戸新聞杯(G2)展望】日本ダービー3着のハーツコンチェルトが最後の一冠獲りへ、武豊ファントムシーフは「裏切り続き」春の鬱憤晴らすか

【神戸新聞杯(G2)展望】日本ダービー3着のハーツコンチェルトが最後の一冠獲りへ、武豊ファントムシーフは「裏切り続き」春の鬱憤晴らすかの画像1
ハーツコンチェルト 撮影:Ruriko.I

 24日、菊花賞トライアルの神戸新聞杯(G2)が4年ぶりに仁川で開催される。

 京都競馬場の改修工事に伴う開催日割の変更で、過去3回は中京・芝2200mが舞台だった。阪神2400mに戻る今年は春の実績馬が多数集結し、ハイレベルな一戦となりそうだ。

 日本ダービー(G1)3着のハーツコンチェルト(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)は、セントライト記念(G2)ではなく、神戸新聞杯から始動する。

 昨年9月のデビュー戦で衝撃の8馬身差Vを飾り、クラシック候補と騒がれたハーツクライ産駒のハーツコンチェルト。2戦目の東京スポーツ杯2歳S(G2)では1番人気に推されたが、あえなく3着に敗れ、賞金加算にも失敗した。

 その後もホープフルS(G1)で7着、若葉S(L)で4着と凡走。ところが日本ダービーの切符を懸けて臨んだ青葉賞(G2)でスキルヴィングの2着に入り、世代の頂上決戦になんとか間に合った。

 そして迎えた大一番は6番人気の評価。スタートでやや出負けすると、最初のコーナーを後方2番手で通過する厳しい位置取りだった。しかし、向正面で徐々に進出を開始。タスティエーラの直後に取り付き、最後の直線を向いた。結果的に鞍上・松山弘平騎手の積極策が功を奏し、上位4頭がタイム差なしの激戦の中で、クビ+ハナ差の3着に食い込んだ。

 松山騎手は「最後は差を詰めていますし、苦しい競馬でしたが、馬は頑張って力を出してくれました」と愛馬を労う一方で、「悔しい気持ちで一杯です」と、悔しい胸の内を明かした。

 関西圏の競馬に向けて、レースの2週間前には栗東に入り、調整されている。大目標の菊花賞(G1)でタスティエーラとソールオリエンスの“2強”を撃破するためにも、まずは新馬戦以来となる2勝目を飾っておきたいところだろう。

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ファントムシーフ 撮影:Ruriko.I

 ダービー3着馬のハーツコンチェルトに対して、ファントムシーフ(牡3歳、栗東・西村真幸厩舎)は皐月賞(G1)の3着馬。ただし、ダービーでは8着に敗れている。

 デビュー当初から素質の片鱗を見せていたハービンジャー産駒のファントムシーフ。2月に出世レースの共同通信杯(G3)を制し、クラシック最有力候補に名乗りを上げた。

 実際に続く皐月賞では1番人気に支持されたが、中団からしぶとく脚を伸ばすも、ソールオリエンスの豪快な追い込みに屈し、さらに前崩れの展開を先行したタスティエーラにも先着を許した。

 続くダービーではC.ルメール騎手がスキルヴィングに騎乗。代わりに陣営が白羽の矢を立てたのが武豊騎手だった。

 ダービー6勝ジョッキーを背に3番人気に支持されたファントムシーフだったが、スタートでやや後手を踏むと、道中は中団やや後方寄りを追走。向正面で動いて行ったハーツコンチェルトに対し、こちらは勝負所でも中団のまま。4角9番手で直線を迎えたが、前が止まらない馬場では8着になだれ込むのがやっとだった。

 陣営は8月の時点で神戸新聞杯から菊花賞へ向かうローテーションを表明。当初は鞍上を調整中としていたが、今月に入って武豊騎手とのコンビ継続が決まった。

 皐月賞とダービーで人気を裏切った雪辱を果たすためにも、秋初戦で共同通信杯以来となる勝利の味を思い出しておきたいところだ。

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サトノグランツ 撮影:Ruriko.I

 ダービー11着のサトノグランツ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は、引き続き川田将雅騎手とのコンビで最後の一冠獲りを狙う。

 サトノダイヤモンド産駒の本馬が初勝利を挙げたのはデビュー3戦目。初戦はルメール騎手を背に、2戦目はR.ムーア騎手を背によもやの連敗を喫したが、川田騎手に乗り替わった3戦目で変わり身を見せた。

 そこから3連勝で京都新聞杯(G2)を制覇。東上最終切符を手にしてダービーへと駒を進めた。そして迎えた大一番は皐月賞組や青葉賞の覇者スキルヴィングの陰に隠れる形で7番人気の評価。4連勝での戴冠を狙ったが、初めて臨むG1の壁は分厚かった。それでも勝ち馬からは0秒7差で、メンバー2位タイの上がり33秒1の末脚を駆使しており、位置取り次第では掲示板に載っていてもおかしくなかったか。

 夏を休養に充て迎える秋初戦。1週前追い切りは、川田騎手を背に栗東CWで6ハロン83秒3-12秒1の好時計をマーク。友道師曰く「川田騎手が『春より成長している』と言ってくれた」と手応えを口にしている。父サトノダイヤモンドは、神戸新聞杯と菊花賞を連勝し春の無念を晴らしたが、息子も同じ道を歩めるか。


 春のクラシック未出走組で最も怖い存在は、ロードデルレイ(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)を置いて他にいない。

 今年1月のデビューから無傷の3連勝中で、前走の赤倉特別(2勝クラス)は休み明けで良化途上にもかかわらず、古馬相手に好内容で勝利を収めた。

 父は短距離向きの産駒が多いロードカナロアだが、時にクラシックディスタンスで通用する大物も輩出する。本馬もベストの距離は1800~2000mとみられるが、春は青葉賞(ケガで回避)を目指していたように、世代限定戦なら2400mでも十分に勝負できるはず。

 ロード軍団に現れた待望の重賞級ロードカナロア産駒が春の実績組に交じって菊花賞の権利獲りに成功するか。今後に向けて試金石の一戦を迎える。


 ロードデルレイ以外に名前を挙げておきたい夏の上がり馬は2頭。

 目下3連勝中のナイトインロンドン(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)は、マイルで活躍したグレーターロンドンを父に持つ。ただし、母の父メジロマックイーンの血が濃いのか2400m以上の距離で4戦3勝2着1回と、好成績を残している。

 1勝クラス、2勝クラスを連勝中のサスツルギ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)は、ナイトインロンドンとは対照的に母系が短距離血統で、半兄が19年のスプリンターズS(G1)を制したタワーオブロンドンである。本馬は父がハーツクライに替わって2000m以上で3勝を挙げており、距離は問題なさそう。


 若葉S勝ち馬のショウナンバシット(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、皐月賞で早め進出から5着に入った実力馬。ダービーは終始後方のまま16着に大敗したが、地力はこのメンバーに入っても上位だ。

 3月の毎日杯(G3)でノッキングポイント以下に勝利したシーズンリッチ(牡3歳、美浦・久保田貴士厩舎)は、その後のダービーでも14番人気ながら7着と健闘。秋初戦で成長した姿を見せてくれるか。

 3着馬までに菊花賞への優先出走権が与えられる一戦は、順当に春のクラシック組が上位を占めるのか、それともロードデルレイを筆頭とした上がり馬が間に割って入るのか。注目の神戸新聞杯は24日の15時35分に出走を予定している。

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