横山和生「鞍上交替」の裏で不吉な予感!? かつて武豊も経験した非情通告…「早過ぎる」復帰にタイトルホルダー愛が見え隠れ
天皇賞・春(G1)でまさかの競走中止を経験したタイトルホルダー(牡5、美浦・栗田徹厩舎)だが、復帰戦に予定しているオールカマー(G2・9月24日)に向けて順調な調整が続けられているようだ。
14日に美浦トレセンで行われた1週前追い切りでは、原田和真騎手を背に5ハロン65秒9―11秒3をマーク。ゴール前で仕掛けられると、先行した僚馬に大きく先着し、復調をアピールした。来週は主戦の横山和生騎手が追い切りに駆け付ける。休み明けでも相性のいい中山コースならG1馬の貫録を見せつけてくれそうだ。
秋のG1で激突が予想されるイクイノックス、ドウデュースを倒すためにも負けられない舞台となるが、タイトルホルダーの仕上がりに比して、手綱を取る横山和騎手の状態は万全とまでいえない可能性が少なからずある。
というのも、横山和騎手は先月26日の土曜札幌8Rを前に下見所で落馬。左下肢の負傷と診断され、ヴァトレニに騎乗を予定していた日曜のキーンランドC(G3)なども騎乗を見送った経緯があるからだ。
軽傷であれば翌週の騎乗も考えられたのだが、9月の1週目と2週目が過ぎても復帰することはなかった。先述の通り、オールカマーでタイトルホルダーに騎乗するようだが、出馬確定した今週末の3日間開催に横山和騎手の騎乗予定馬は見当たらないまま。どうやら今週末の競馬も乗らないらしい。
そこで気になったのは、スプリンターズS(G1)のアグリも菊花賞(G1)のトップナイフも前任者の横山和騎手ではなく、父の横山典弘騎手とのコンビで出走を予定していると陣営から発表されていたことだ。
父を尊敬する横山和騎手は、自身の騎乗が不可能な際に代役として陣営に「オヤジがいいですよ」と推薦することもあるというが、乗り替わりの決まったレースはG1。下級条件のレースならともかくとして、相手がいくら父親だったとしても最高峰のレースに騎乗するチャンスを自ら辞退する可能性は低いはずだ。
実際、横山典騎手が8番人気マテンロウレオで14着に敗れた札幌記念(G2)では、横山和騎手は9番人気の低評価だったトップナイフを見せ場十分の2着に導く好騎乗。セントウルS(G2)で父が2着に入ったアグリにしても初重賞制覇を決めた阪急杯(G3)は横山和騎手とのコンビだった。セントウルSの横山典騎手は、落馬負傷した横山和騎手の代打だったとすれば、2頭とも降板が決まったことに違和感が残る。
勿論、アグリの安田隆行調教師もトップナイフの昆貢調教師も横山典騎手の理解者であり、両者が親密な関係にあるため、最終的に横山和騎手ではなく横山典騎手を陣営が選択した可能性は考えられる。
その一方で、横山和騎手の復帰が不鮮明な関係もあって、一足早く横山典騎手に騎乗依頼をした可能性も否定できない。
かつて武豊も経験した非情通告…
近年では武豊騎手が、2017年のマイルCS(G1)を前に調教中の落馬で右ヒザのじん帯を痛めるアクシデントが発生し、その後順調な回復を見せたこともあり、レース当日の騎乗が可能だったにもかかわらず、エアスピネル陣営は「G1の大舞台で不安を残したくない」という理由でR.ムーア騎手への乗り替わりを発表。その結果、同じレースに騎乗しながらもお手馬に乗れないという屈辱を味わった。
また、武豊騎手は2021年にも同じような経験をしている。このときは骨折により、春の重賞レースの騎乗を見送ることもあったが、驚異的な回復力で天皇賞・春(G1)に間に合わせてみせた。
しかし、主戦騎手の復帰を待ち切れなかったのか、ワールドプレミア陣営は福永祐一元騎手(現調教師)への乗り替わりを決断。またしても武豊騎手は別の馬でお手馬と同じレースに騎乗するしかなかった。
こういった“非情通告”にも映る鞍上交替劇と今回の横山親子の乗り替わりを同一視するには、憶測の域を出ないものの、横山和騎手にとってタイトルホルダーは、自身の初G1勝ちをプレゼントしてくれた相手でもあり、トップジョッキーの仲間入りに欠かせない存在でもあった。
もしタイトルホルダー愛ゆえに、早過ぎる復帰を決めていたとしたら、馬は完全復調だったとしても、鞍上の状態に不安が残る復帰戦となるかもしれない。
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