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藤田菜七子は存在感も「ドロ沼連敗」続く今村聖奈と永島まなみ…注目は勢力図ひっくり返した若手と「スーパールーキー」の快進撃

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藤田菜七子は存在感も「ドロ沼連敗」続く今村聖奈と永島まなみ…注目は勢力図ひっくり返した若手と「スーパールーキー」の快進撃の画像1
今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I

 ルーキーイヤーに51勝を挙げ、JRA賞で最多勝利新人騎手を受賞した今村聖奈騎手。昨年のCBC賞(G3)は、テイエムスパーダとのコンビで重賞初騎乗初勝利も達成し、暮れのホープフルS(G1)で新人の女性騎手として初めてG1にも騎乗した。

 だが、飛躍を期待された2年目の今年は、不適切なスマートフォンの使用事案が判明したことにより、30日間(開催日10日間)の騎乗停止も経験。その影響もあってか6日現在で21勝と、51勝を挙げた昨年の半分にも満たない苦しい状況となっている。

 以前よりも消極的なポジション取りが目立つようになり、8月12日小倉6Rの4番人気セイウンデセオで勝利したのを最後にドロ沼の82連敗に突入。今週末の3日間開催で、そろそろ「聖奈スマイル」を見たいところだ。

 これに対し、今村騎手の女王の座を脅かす存在として大きな注目を集めていたのが、永島まなみ騎手である。

 大ベテラン横山典弘騎手に“弟子入り”した効果もあって、女性騎手のリーディング争いでも今村騎手の21勝を上回る27勝をマーク。昨年の年間21勝も超えて好調だが、9月3日小倉7Rを1番人気トーホウフランゴで勝利を飾ってから、先週末の開催を終えて48連敗と勝ち星を伸ばせないでいる。

 連敗中の2人に対し、存在感を見せたのは女性騎手で最年長の藤田菜七子。9月は3勝を挙げて、フランスにも自主研修を敢行。凱旋門賞(G1)も観戦するなど、本人も得るものは多かっただろう。東京で6鞍に騎乗を予定している今週末の活躍に期待したい。

勢力図ひっくり返した若手と「スーパールーキー」の快進撃

 女性騎手による女王争いが盛り上がりを欠く中、大きな注目を集めたのが、2年目の佐々木大輔騎手とルーキーの田口貫太騎手だ。

 佐々木騎手は函館でC.ルメール騎手や横山武史騎手らを抑えて、念願のリーディングを獲得した。デビュー年は今村騎手と角田大河騎手の陰に隠れたが、今年に入って急成長を見せて同期でトップの49勝を挙げる大活躍(6日現在)。重賞勝ちの経験こそないが、勢力図を完全にひっくり返してみせた。秋競馬を迎えてもその勢いは衰えることなく、人気馬でも穴馬でもコンスタントに馬券圏内に食い込む手腕は、穴党から支持を集めている。

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田口貫太騎手 撮影:Ruriko.I

 また、今年デビューの田口騎手も19歳にしては、あどけなさの残る外見にネットやSNSでは「かわいい」「小学生みたい」という声も出ていたようだが、新人騎手ながらも手腕は確か。3月からの騎乗で21勝の今村騎手を凌ぐ22勝に到達。夏から秋にかけて大穴を開けている。新人離れした勝負勘と騎乗技術を評価する声も多く、頼れる穴騎手として密かにブレイクしつつある。まるで「スーパー小学生」のようである。

 先週末の開催で佐々木騎手は、1日の中山9R(2勝クラス・ダート1800m)を10番人気カランセ、田口騎手は同日の阪神12R(2勝クラス・ダート1400m)を12番人気マイネルプロンプトでそれぞれ勝利。好調な2人だけに今週も注目したい。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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