「三強ムード」の菊花賞に殴り込み!? 血の勢いと長距離の名手が最大の魅力…底を見せていない「秘密兵器」が気になるファン続出?
22日に京都競馬場で行われる牡馬三冠の最終戦、菊花賞(G1)。
最も注目を集めているのは皐月賞馬ソールオリエンスとダービー馬タスティエーラによる二冠争いだ。そこに神戸新聞杯(G2)で鮮やかな差し切り勝ちを見せたサトノグランツも加わった三強ムードが漂っている。
20日現在、『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズにおいても、先述した3頭が一桁台のオッズで、4番手評価のファントムシーフ以下をリードしている状況だ。
そんな中、並みいる重賞勝ち馬たちを押しのけて、6番人気に支持されているのが重賞経験もないドゥレッツァ(牡3歳、美浦・尾関知人厩舎)である。
底を見せていない「秘密兵器」が気になるファン続出?
本馬は現在5戦4勝。スローペースで前残りの決着となった新馬戦こそ3着と不覚を取ったが、その後は常に上がり最速で4連勝中だ。これだけなら、よくいる「夏の上がり馬」の1頭に見えるものの、秘密兵器として魅力的。2戦目でサトノグランツに勝利している実力は侮れない。
血統的にも2015年の二冠馬ドゥラメンテ産駒であり、国内最強ステイヤーの一角タイトルホルダー、22年の二冠牝馬スターズオンアース、そして今年史上7頭目の三冠牝馬となったリバティアイランドが代表産駒として活躍中。早逝のため5年と短い種牡馬期間だったが、既に産駒のG1通算が12勝をあげているように、今一番血の勢いがある種牡馬といえるだろう。
さらに強調したいのは、やはりドゥレッツァの鞍上に長距離の名手C.ルメール騎手が選ばれた点だ。
ルメール騎手は過去にサトノダイヤモンドとフィエールマンで菊花賞を勝利。フィエールマンは、春のクラシックを経験しないまま、ラジオNIKKEI賞(G3)から直行で優勝する異例のローテーションだった。臨戦過程を嫌われたのか7番人気の評価だったが、キャリア4戦目にしてG1制覇という快挙を成し遂げた。
懸念があるとすれば8枠17番の大外枠を引いたことだが、ルメール騎手は大外枠が得意な騎手でもある。昨年の皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)では、2戦連続18番だったイクイノックスで2着に導いた。特に印象深かったのは、2020年のエリザベス女王杯(G1)だ。このときは8枠18番のラッキーライラックを見事な騎乗で優勝させている。
また、菊花賞も21年に18番オーソクレースで2着、15年に17番リアファルで3着と好相性。「長距離は騎手で買え」という競馬の格言もあるように、信頼できる騎手といえるのではないか。
歴史的な背景もドゥレッツァの好走を後押ししてくれるかもしれない。実は皐月賞と菊花賞の二冠馬は12年のゴールドシップ以来誕生しておらず、ダービーと菊花賞の二冠馬にいたっては勝てば73年のタケホープ以来なんと50年ぶりとなる。
これらのデータは皐月賞馬のソールオリエンスやダービー馬タスティエーラにとっても歓迎できないはずだ。
リバティアイランド一色だった秋華賞(G1)と違い、出走全馬にチャンスがありそうな今年の菊花賞。二冠馬誕生となるか、重賞馬が最後の一冠奪取となるか、それとも思わぬ伏兵が勝どきを上げるのか。白熱のレースに期待したい。
PICK UP
Ranking
11:30更新- ジャパンCはノーザンファームに逆らうな?武豊×ドウデュース、ルメール×チェルヴィニア、さらに社台グループの意外な隠し玉が出走?
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
関連記事
【菊花賞予想座談会】タスティエーラ「消し」で両者の見解が一致!武豊とC.ルメールはキープでも…「波乱必至」の一戦に自信の穴馬を大抜擢
【菊花賞】ダービー馬タスティエーラ切り⁉️ 新しくラジオ番組もスタートした絶好調・桃井はるこが推す一頭が秋の京都で旋風を巻き起こす?
【菊花賞】「絶好枠ゲット」に陣営も色気あり?川田将雅、C.ルメールに匹敵の絶好調男が狙う一発…大波乱の使者に期待したい「お宝」穴馬
武豊「中身の濃い」敗戦に反撃誓う菊花賞…「やりたい競馬はできた」が致命的な弱点も露呈、ファントムシーフが克服すべき「2つ」の課題
最大の上がり馬、4連勝中のドゥレッツァが菊花賞参戦!「この感じなら…」鞍上ルメールの意味深なコメントに隠された真意、タスティエーラ、ソールオリエンスとの力関係を徹底分析