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「二刀流」目指したカフェファラオが種牡馬入り。なぜダート王者は芝重賞に挑戦し続けたのか?

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カフェファラオ 撮影:Ruriko.I

 2021~22年のフェブラリーS(G1)連覇や22年の南部杯(G1)など、ダート重賞5勝を成し遂げたカフェファラオ(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)が引退し、北海道新ひだか町のアロースタッドで種牡馬入りすることが発表された。

 22年のJRA賞最優秀ダートホースに選ばれるなど、ダート戦線で活躍した同馬だが、近年は芝重賞に3回出走と陣営の二刀流志向が見受けられていた。

 初の芝挑戦となった21年の函館記念(G3)出走時には、当時の主戦C.ルメール騎手も「芝を走らせるのは楽しみ」と期待し、ファンも1番人気に支持した。しかし結果は16頭中9着と凡走。本馬の芝適性には疑問符が付いた。

 しかし、陣営は22年の安田記念(G1)でも2度目の挑戦を敢行。G3の函館記念以上にハイレベルなG1ということもあって、18頭中10番人気で17着と惨敗。結果的にファンの不安が的中してしまった。

 3回目となる今年の安田記念では着順こそ12着に上がったものの、その評価も18頭中18番人気。本馬は芝ではなくダートのG1・3勝馬だったとしても、少々不本意な評価だったといえるだろう。

 その一方、カフェファラオが芝に挑戦を続けた理由について、一部のファンの間で様々な憶測が聞かれていた。

なぜダート王者は芝重賞に挑戦し続けたのか?

 アグネスデジタルやモズアスコットのような芝ダート両G1を制することにより「種牡馬価値を上げるため」といった意見もあったが、有力視されている理由のひとつは「左回り1ターン」へのこだわりというものだ。

 キャリア7勝のうち、右回りの勝利は中山競馬場の新馬戦のみで、それ以外は全て左回り。そしてコーナーの数も新馬戦以外は全て1ターン。カフェファラオを管理する堀師も「1ターンがベスト」と発言しているため、左回りの1ターンを意図的に使ったということだろう。3着と好走したサウジC(G1)も同じ条件に合致していた。

 また、得意条件下であれば素晴らしいパフォーマンスを見せる一方、そうでなければダート戦であっても凡走しがちだったカフェファラオ。新馬戦と20年シリウスS(G3)以外のダート戦は全て着外だった。

 つまり陣営は芝に挑戦したいというより、得意な「左回り1ターン」を選びたかったはずであり、たまたまその条件に見合うコースが芝だったのだと思われる。

 もちろん芝適性もある程度は見込んでいたに違いない。日本のアメリカンファラオ産駒と言えばカフェファラオやダノンファラオなどダート馬のイメージがあるが、海外では芝重賞を制している産駒が多数いる。

 具体例としてはクイーンエリザベス2世チャレンジCS(米G1)を制したハーベイズリルゴイル、クリテリウム・アンテルナシオナル(仏G1)を制したヴァンゴッホ、サンタラリ賞(仏G1)を制したアバブザカーブなどだ。

 引退の理由は諸説考えられるが、近2走のダート戦の結果が絡んでいる可能性は高い。「左回り1ターン」という得意条件下でも凡走していたため、ピークを過ぎている可能性も考えざるを得なかったということかもしれない。

 ダート王者に上り詰め、芝重賞という次なる舞台に挑み続けたカフェファラオ。残念ながら悲願を達成できずに引退となったが、夢は産駒に引き継がれていく。ダート、芝、そして二刀流で活躍するような産駒の誕生を心待ちにしたい。

GJ 編集部

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