武豊チャンピオンズC「前日」も痛い乗り替わり! 中距離路線の「新星」放出の危機?
早いもので今週末から12月に突入。秋のG1シリーズも終盤戦となる。先週のジャパンC(G1)ではイクイノックスが4馬身差で圧勝するなど、毎週のように盛り上がりを見せているが、唯一残念なのが武豊騎手の不在だ。
10月に行われた天皇賞・秋(G1)当日に負傷してしまい、騎乗予定だったドウデュースを乗り替わり。当初は2~3週間での復帰が報じられていたが、結果的には約1ヶ月後に開催されたジャパンCでも騎乗は叶わなかった。
オフィシャルサイトの日記によると、今週一杯は騎乗をキャンセルし療養に専念するようだ。そのため12月3日のチャンピオンズC(G1)で騎乗予定だったアイコンテーラーは、J.モレイラ騎手が手綱を取ることとなった。
また、その前日に開催されるチャレンジC(G3)でコンビを組む予定だったリカンカブール(牡4歳、栗東・田中克典厩舎)も乗り替わりとなってしまったことは、レジェンドにとってかなり痛手かもしれない。
中距離路線の「新星」放出の危機?
同馬と武豊騎手は前走の西宮S(3勝クラス)で初コンビ。道中後方でじっくり脚を溜めると、ゴール寸前でレジェンドの十八番ともいえる、測ったような差し切り勝ち。とてもテン乗りとは思えない、人馬一体の走りだった。
この勝利でオープン入りを果たしたリカンカブールは、今年に入り2戦2勝と勢いに乗っている上に、芝2000mでは5戦4勝2着1回と抜群の成績を残している。レース後の武豊騎手も「もっと良くなるよ」と将来性を高く評価していた中距離路線の新星だ。
ちなみに前走の勝ちタイム1分58秒3は、阪神・芝2000mで今年3位の好タイム。重賞のマーメイドS(G3)や鳴尾記念(G3)の勝ち時計を上回っていたのだから、即オープンで通用して何ら不思議ではない。今回のチャレンジCでも好勝負はもちろん、ここを勝つようなら来年の大阪杯(G1)で面白い存在になる可能性も十分あるだろう。
「リカンカブールは昨年の神戸新聞杯(G2)で6着でしたが、3着のボルドグフーシュとはわずか0秒2差。重賞ウイナーのプラダリアやアスクワイルドモアには先着していたのですから、本格化の兆しがみえる今なら重賞でも十分に戦える器だと思いますよ。
ちなみに管理する田中克調教師は、自信のある時にしか武豊騎手に依頼しないそうで、実際にコンビはこれまで5回と少ないものの3勝を挙げており、勝率60%と高い数字。
今回のチャレンジCは約1ヶ月前から武豊騎手とコンビが決まっていたことからも、陣営は相当の自信を持っていたことは間違いないでしょう。
それだけに、怪我で仕方ないとはいえ、武豊騎手にしても前走で同馬を評価していたことからも、今回の乗り替わりは無念でしょうね」(競馬誌ライター)
なお負傷のレジェンドに代わってリカンカブールの手綱を取るのが、藤岡康太騎手だ。
前走の西宮Sでは他の馬に騎乗していた藤岡康騎手だが、もともとリカンカブールのデビュー戦から6戦連続で手綱を取っていた主戦ジョッキーである。
ちなみに藤岡康騎手といえば、先日のマイルCS(G1)で負傷のR.ムーア騎手に代わり、急遽ナミュールに騎乗。見事な手綱さばきで優勝に導く大役を果たしたばかり。仮にここでも結果を出すことがあれば、リカンカブールの元主戦でもあるだけに、今後もコンビ継続となる可能性もありそうだ。
そうなった場合、武豊騎手は中距離路線の新星を手放してしまうケースも発生するかもしれない。まずはリカンカブールが今週末、重賞でどのような走りを披露してくれるのか注目してみたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
【チャレンジC(G3)展望】「有馬記念見据え」ベラジオオペラVS「天皇賞・秋5着」ガイアフォース! ディアドラ半弟は川田将雅と再タッグ
’15 チャレンジCを制した「おがわじゅり」さんのイラストでお馴染の人気者は、人懐っこさ全開の、かまってちゃんに!|フルーキー
世界最強イクイノックスよりも「高評価」を得た馬がまさかの低迷!? 川田将雅も指摘の「ウィークポイント」克服で見出したい活路
「ルメール×川田を買っておけば……」から様相一変!? “2強ムード”チャンピオンズC(G1)は鞍上に「不安」あり?
’09 天皇賞・春を制した長距離重賞の常連は、長すぎる美脚と落ち着いた性格が魅力の王子様に!|マイネルキッツ