【有馬記念】ディープボンド×和田竜二が惜しまれつつのコンビ解消…意外な乗り替わりは吉と出るか凶と出るか
24日に開催される有馬記念(G1)の出走メンバーが続々と確定している。その中で話題となっているのが、ディープボンド(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)が短期免許で来日中のT.マーカンド騎手を背に出走予定であると報じられたことだ。
ディープボンドは今年の有馬記念ファン投票でG1未勝利馬ながら9位。またグッズ化の座を争うアイドルホースオーディションでは昨年3位に輝き、ぬいぐるみが製作されるほどの人気馬だ。
また、本馬は主戦の和田竜二騎手とのコンビで多くのファンから支持されている。キャリア5勝のうち、フランス遠征時を除く4勝は和田竜騎手を背に達成したものだ。2021年の有馬記念では2着と惜しい場面もあった。他にも天皇賞・春(G1)で3年連続2着など、G1で勝ちに恵まれないものの好走を見せている苦労人コンビの人気は高い。
そんな名物コンビだけにSNSでは今回の乗り替わりを残念がる声も見受けられた。過去には、昨年の凱旋門賞(仏G1)と有馬記念で川田将雅騎手が騎乗したこともあったが18着、8着と振るわなかった。その後、再び和田竜騎手に手綱の戻ったディープボンドの成績が安定していることを踏まえると、和田竜騎手がベストパートナーと考えるファンも少なくなかったはずだ。
意外な乗り替わりは吉と出るか凶と出るか
陣営もディープボンドと和田竜騎手の相性の良さは重々承知だろうが、あと一歩でG1タイトルに手が届かない現状打破の目的もあるのだろう。大久保師は「マーカンド騎手に新たな面を引き出してもらえればというか、新たな刺激になればと思います」とコメント。マーカンド騎手の手腕でなんとか好走して欲しいと考えているようだ。
マーカンド騎手は今年のJRA勝率18.3%と好調。昨年の勝率が11.6%だったことを思えば、日本の競馬に慣れつつあるのは間違いない。短期免許で来日中の外国人騎手が馬質で優遇されている事実はあるものの、勝率だけ比較すれば和田竜騎手の5.3%を上回る。
別厩舎の人馬ではあるが、過去にも似たようなケースはあった。2022年のジャパンC(G1)では初戦から一貫して乗り続けてきた松山弘平騎手に代わり、マーカンド騎手がデアリングタクトに騎乗。前走まで2連続6着と不調だった中で4着に好走したケースは記憶に新しい。
ディープボンドは年齢の割にまだまだ元気。これまで大きなケガもしたこともなく、海外輸送も難なくこなしている。持ち前のパワーとスタミナで重馬場や長距離などタフなレースにも対応できるため、この強靭な肉体はぜひとも次世代に繋いでもらいたいと願う声も聞かれる。
ディープボンドの馬名の由来でもある父キズナは現役種牡馬としてソングラインやアカイイトを送り出すなど活躍中。将来的な種牡馬入りを視野に入れるためにも、やはりG1タイトルは欲しいところ。今回の決断には陣営の親心のようなものも垣間見える。
ある意味勝負とも言える今回の乗り替わり。陣営の決断が吉と出るか凶と出るか、暮れの中山で見守りたい。
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