イクイノックスVSドウデュースを見たかった! 武豊「もう一度『最強』へ」有言実行の有馬記念(G1)制覇。2024年凱旋門賞に再挑戦へ

有馬記念で武豊騎手とドウデュースが完全復活!
24日、中山競馬場で行われたグランプリ・有馬記念(G1)は、2番人気のドウデュース(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)が勝利。昨年のダービー馬が完全復活を印象付けて、2023年を締めくくった。
16頭立て、芝2500mで行われた最終決戦。これが引退レースとなるタイトルホルダーが果敢にハナを切ると、C.ルメール騎手とスターズオンアースが2番手を追走する意外な展開。3枠5番の好枠だったドウデュースは、スタートからあえて後方に下がった。
レースが動いたのは、向正面だ。後方にいたドウデュースが外から進出を開始すると、1番人気のジャスティンパレスも呼応するように追走を開始。だが、やや伸びあぐねる1番人気に対して、2番人気のドウデュースは抜群の手応えで先頭集団に並びかけた。
最後の直線を迎え、全身全霊をかけて粘り込もうとするタイトルホルダーを、スターズオンアースとドウデュースが併せ馬をしながら一歩ずつ追い詰める。2頭が先頭に躍り出たが、最後はドウデュースが半馬身ライバルを制した。
「イクイノックスとの対決を控えた天皇賞・秋(G1)の直前に武豊騎手が負傷してしまうなど、この秋はドウデュースと武豊騎手にとって不完全燃焼の日々だったと思います。結果的にこの有馬記念でコンビ再結成となりましたが、武豊騎手のこの日の騎乗は有馬記念の1鞍のみと、決して万全の状態ではありませんでした。しかし、それでも勝ち切ってしまうのですから、“役者”が違いましたね。
天皇賞・秋とジャパンC(G1)の連敗でファン投票では7位に留まったドウデュースですが、蓋を開けてみれば2番人気。オグリキャップとのコンビで有馬記念の最年少制覇記録を持っている武豊騎手ですが、この勝利で最年長記録も保持することになりました。記録にも、記憶にも残る有馬記念になったと思います」(競馬記者)
「ドウデュースも、私も帰ってきました!」
勝利騎手インタビューの第一声には、場内から大きな拍手と歓声が上がった。武豊騎手は2010年の落馬事故をきっかけに一時低迷。騎手引退さえ過った辛い時期を過ごし、2013年の日本ダービー(G1)で復活の勝利を挙げた際に「僕は帰ってきました!」と高らかに宣言したことを多くのファンが覚えているからだ。
後方からの早め進出で、勝負どころの3、4コーナーでは外を回って先団に取りつく競馬は、勝利騎手インタビューで「この馬はこんなもんじゃない」「ドウデュースが一番強いと思って」と語っていた通りの横綱相撲。ドウデュースの能力を100%引き出した武豊騎手ならではの“神騎乗”といえるが、実はこれとまったく同じ競馬をしたのが、今年2月の京都記念(G2)だった。
2024年凱旋門賞に再挑戦へ
「もう一度『最強』と言われるような結果を出していきたいですね――」
ちょうど有馬記念のように後方から早めに進出し、ライバルたちを3馬身半差置き去りにした京都記念は、ドウデュースと武豊騎手にとって2023年の始動戦以上の意味があった。
昨年の日本ダービーでイクイノックスを下し、世代最強馬として秋の凱旋門賞(G1)に挑んだドウデュース。しかし、欧州特有の重い馬場で力を発揮できず、遠征は惨敗に終わった。その間、天皇賞・秋と有馬記念で古馬を一蹴したイクイノックスが現役最強の座に。武豊騎手が勝利騎手インタビューで「もう一度」と決意表明したのは、そのためだ。
残念ながら、武豊騎手とドウデュース、そしてイクイノックスの運命はすれ違いに終わってしまった。しかし、だからこそ、この有馬記念の勝利は両者にとって鬱憤を晴らすものになったはずだ。
「やっぱり競馬は良いなと思います。メリークリスマス!」
最大のライバル・イクイノックスは世界最強の座を維持したまま、歴代賞金王として一足早くターフを去った。来年も現役を続行するドウデュースは、友道調教師が「また来年、行こうよってことで。忘れたものを獲りにいこう」と秋の凱旋門賞(G1)挑戦プランを明言。
「もう一度、最強へ――」ドウデュースの覇道はここから始まる。
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