【有馬記念】和田竜二と「コンビ解消」ディープボンドはブービー15着…英国の名手T.マーカンド起用も「アレ」が裏目に?
24日に行われた有馬記念(G1)は、武豊騎手の2番人気ドウデュースが優勝。今秋は天皇賞・秋(G1)7着、ジャパンC(G1)4着と連敗を喫していた昨年のダービー馬が、見事な復活勝利を果たした。
陣営は来年、凱旋門賞(G1)への再挑戦も示唆。昨年はスタート直前の大雨で馬場悪化の影響などもあり19着に敗れてしまったが、そのリベンジに期待したいところだ。
一方、ドウデュースと同じく昨年の凱旋門賞に出走していたディープボンド(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)は、今回の有馬記念で15着に大敗した。
国内外で重賞4勝を挙げ、G1でも2着が4回ある同馬。昨年のアイドルホースオーディションで3位に入り、ぬいぐるみ化されたほどの人気馬だが、昨年3月の阪神大賞典(G2)1着以来、白星からは1年9ヶ月も遠ざかっている。前走のジャパンCでも10着に敗れたが、有馬記念は一昨年に2着だった好相性の舞台であったことから、今回は復活も期待されていた。
そんな古豪ディープボンドは今回、英国の名手であるT.マーカンド騎手と新コンビを結成。国内で全白星を挙げている主戦・和田竜二騎手からの乗り替わりは一部ファンから賛否も呼んだが、陣営は「新たな面を引き出してもらえればというか、新たな刺激になればと思います」とスイッチに至った理由についてコメントしている。
さらに今回、新たな試みとしてブリンカーを着用。1週前追い切りに騎乗した荻野琢真騎手はブリンカーについて「いい効果のほうが大きい感じ」と好感触であることを伝え、最終追い切りを見届けた大久保師も「プラスに出ている感じがする」と、期待を込めて送り出していた。
しかし、レースではスタートこそ五分に切ったものの、徐々にポジションを下げると、道中は後ろから5、6番手の位置。2周目4コーナーでは手綱が追い通しとなり、最後の直線も伸びは見られずブービーの15着に終わっている。
「ディープボンドは今秋から控える競馬も試しているみたいですが、ほとんど見せ場を作れませんでしたね。2周目3コーナーでは勝ったドウデュースと同じような位置にいましたが、そこからの行きっぷりが違いすぎました。
マーカンド騎手とブリンカー着用で新味に期待していましたが、今回のところは不発だったようです」(競馬誌ライター)
初ブリンカーが裏目に?
レース後、ディープボンドに騎乗したマーカンド騎手は「スタート後、いい位置が取れなかった」と話し、「あまり進んで行かなかった。ブリンカーが逆に効いてしまったのかもしれない」と惨敗に終わった理由を説明している。
ブリンカーといえば視界の一部を直接遮ることで馬の意識を集中させ、周囲からの影響に惑わされずに走らせるために用いられる馬具。これにより成績が上向く馬もいるのだが、逆に効きすぎて精彩を欠いてしまう馬も存在する。
ブリンカーが悪い方向に出てしまう理由について、元JRA調教師の秋山雅一氏は『web Sportiva』の取材に「それまで見えていたものが見えなくなれば、不安を感じるのは当然です」と説明。「結果として、ブリンカーをつけた途端に、まったく動かなくなってしまった馬がいました」と自身の体験を話している。マーカンド騎手の「進んで行かなかった」というコメントからも、今回のディープボンドはこれに近い状態だったのかもしれない。
また、ディープボンドは先述の通り、調教の段階ではブリンカー着用でも好気配を見せていたようだが、だからといってレースで好結果に結びつくとも限らないようだ。いざ実戦となると馬の精神状態が一変してしまうケースがあるそうで、先述の秋山氏は「トレセンで調教として走るのと、競馬場に行ってレースを走るのとでは、まったく別モノ」と指摘している。
試行錯誤を試みて有馬記念に挑んだディープボンド陣営だったが、今回のところは馬具装着がやや裏目に出てしまった可能性もある。果たして人気馬ディープボンドに来年、復活はあるだろうか。
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