
デビュー4戦3勝、重賞制覇目前で武豊に乗り替わり…師弟コンビが「あの実力馬」を彷彿とさせる逸材で新馬戦を快勝

23日、中山競馬場の6Rに行われた2歳新馬戦(ダート1800m)は、4コーナーで先頭に立った木幡巧也騎手とウィンドフォール(牡2歳、美浦・牧光二厩舎)のコンビが、後続に2馬身半差をつけて快勝した。
ウィンドフォールは好スタートから抜群の先行力を見せると、道中は2番手をがっちりキープ。抑えきれないような手応えで4コーナー早くも先頭に躍り出ると、最後の直線でも力強く脚を伸ばし、堂々と押し切っている。
「4角先頭だったにもかかわらず、上がり3ハロンはメンバー最速タイとなる37秒7をマークは大したものです。スタートからゴールまでセンスの良さが垣間見える走りで、今日のところは文字通りの完勝でした。
勝ちタイムの1分54秒4は、今年行われた中山ダート1800mの2歳新馬戦でナンバーワン。かなりの逸材ではないでしょうか」(競馬誌ライター)
騎乗した木幡巧騎手もレース後、「これからの馬ですが、良い勝ち方ができました」と、発展途上ながらも完勝を決めたパートナーを評価。管理する牧調教師は「(適性は)この辺じゃないですかね」と話しており、これからダートの中距離路線を賑わせてくれる1頭となりそうだ。
なお木幡巧騎手と牧厩舎の師弟コンビ、ダート中距離の大器といえば、思い出される馬が1頭いる。今年の3歳ダート路線を賑わせたミトノオーだ。
デビューから4戦3勝の好成績も武豊騎手に乗り替わり…
ミトノオーと木幡巧騎手は3月の伏竜S(OP)を制するなど、デビュー戦からタッグを組み続け4戦3勝の好成績だった。2戦目のオキザリス賞(1勝クラス)こそ11着に敗れたものの、向正面で致命的といえる不利があった。それ以外はほぼ完璧に乗りこなしており、5月の兵庫チャンピオンシップ(G2)で最有力候補と目されていた。

しかし、同レースでは武豊騎手に乗り替わりが決定。木幡巧騎手もミトノオーでしっかりと結果を残していたのだが、これにはオーナーサイドからの強い要望があったと言われている。
「牧調教師は当然、弟子である木幡巧騎手の続投を希望していたものの、話し合いの末、最終的には折れたようですね。
いつもは厳しい師匠である牧調教師ですが、このときばかりは木幡巧騎手に『弟子を乗せ続けられない情けない調教師ですまない』と謝罪したとも言われています」(同)
武豊騎手を背に兵庫CSを6馬身差で逃げ切ったミトノオーは、続くジャパンダートダービー(G1)でも3着に健闘。先月の浦和記念(G2)でもハナを奪い2着に好走するなど重賞戦線で活躍しているが、今日まで木幡巧騎手の元に手綱は戻ってきておらず、この先もコンビ再結成は不透明である。
そんな厩舎の先輩を彷彿とさせるような力強い先行力を武器に、デビュー戦白星を決めたウィンドフォール。ミトノオーでは悔しい思いをした木幡巧騎手だったが、果たしてウィンドフォールとのタッグは、出世の階段をどこまで登っていけるだろうか。
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