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C.ルメール「海外G1馬」と新タッグも2連敗で降板…急遽騎乗の「息子」と果たした6年前の雪辱

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C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 今から6年前の2017年。3月に開催されたドバイターフ(G1)をJ.モレイラ騎手とのコンビで制したのが、前年の秋華賞馬ヴィブロスだ。

 もともと同馬の主戦は福永祐一元騎手(現調教師)だったが、2月のきさらぎ賞(G3)で落馬し負傷。その影響で前哨戦の中山記念(G2)には内田博幸騎手が騎乗。本番では先述のモレイラ騎手が手綱を取ると、後方待機から直線一気で海外G1制覇に導いた。

 春はこの2戦で休養に入ったヴィブロス。秋から同馬の新パートナーに抜擢されたのが、JRAの通年免許を取得して3年目を迎えていたC.ルメール騎手だ。

 ルメール騎手はこの年、ソウルスターリングとのコンビでオークス(G1)を優勝すると、その翌週にはレイデオロで日本ダービー(G1)も制する離れ業をやってのけた。最終的にこの年のリーディングジョッキーにも輝いた同騎手は、海外G1ウイナーとなったヴィブロスに相応しいジョッキーといえるだろう。

 だが、秋の始動戦となった府中牝馬S(G2)では逃げたクロコスミアを捕らえきれずに2着。大一番のエリザベス女王杯(G1)でも自慢の末脚は鳴りを潜め5着に敗れた。

 “世界のヴィブロス”の凱旋勝利を期待していたファンも多かったに違いないが、まさかの1番人気2連敗……。ルメール騎手もヴィブロスとコンビを組んだのはこの2戦のみで、翌年には乗り替わりとなってしまった。

急遽騎乗の「息子」と果たした6年前の雪辱

 あれからおよそ6年の月日が流れた2023年。19日、京都競馬場の4Rに行われた2歳新馬戦(芝1600m)でデビューしたのが、ヴィブロスの2番仔シヴァース(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)である。

 管理するのは母と同じく、ダービー3勝の名門・友道厩舎。鞍上には世界のR.ムーア騎手を配するなど、まさに必勝態勢を敷いてきたといってよかった。

 しかし、ムーア騎手が2Rでスタート直後に落馬してしまうアクシデント。4Rは検査で乗れなくなったため、急遽代役を務めることになったのが、母の騎乗経験があるルメール騎手だった。

 レースは13頭立てで行われ、シヴァースとルメール騎手は最内1番枠からスタート。道中はやや窮屈なポジション取りを強いられたが、最後の直線を向くと内ラチ沿いから一瞬にして抜け出す。ゴール前では外から2頭迫ってきたが、クビ差しのいでデビューVを決めた。

「進路が開けて抜け出すときの脚の速さは凄かったですね。なおヴィブロスの産駒はこれがJRA初勝利。これには母仔ともに所有する大魔神こと佐々木主浩オーナーの喜びもひとしおでしょう。

また、急遽の騎乗となったものの絶妙な手綱さばきで勝利に導いたルメール騎手も見事でした。母とのコンビでは惜しくも勝利を挙げることができませんでしたが、この白星で6年前の雪辱を少しは果たすことができたのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 殊勲のルメール騎手はレース後、シヴァースについて「2歳馬には見えなかった。いいスタートで乗りやすかった」と優等生ぶりを絶賛。さらに「これからが楽しみですね」と将来性も高く評価した。成長力に富んだ一族だけに、これからさらに力をつけていくことは間違いない。

 管理する友道調教師も「まさかあそこを突いてくるとは。さすがルメール騎手ですね」と名手の騎乗を手放しで褒め称えた。次走は未定のようだが、ゆくゆくはヴィブロスで叶わなかったタッグでのタイトル奪取にも期待したい。

GJ 編集部

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