イクイノックスを「唯一」差し切った兄の豪脚を彷彿!「才能に驚いた」名手も絶賛の走りでマイル女王「後輩」が来春に名乗り

10日、阪神4Rに行われた牝馬限定の2歳新馬戦(芝1600m)は、5番人気チルカーノ(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)とB.ムルザバエフ騎手のコンビが直線で差し切って優勝した。
「才能に驚いています」
調教でチルカーノに跨った際には、あまり手応えを感じなかったというムルザバエフ騎手。ただ、同馬が競馬に行って見せた変わり身には、ドイツの名手も思わず称賛の言葉を残した。
17頭で争われたレース。チルカーノはムルザバエフ騎手が「スタート後の密集に驚いて、位置取りは後ろになりました」と振り返った通り、後方からレースを進めることとなる。
3コーナーから外に持ち出すと、徐々に進出を開始。ただ前半の1000m通過が63秒0のスローペースだったこともあり、4コーナーでは馬群がほぼひとかたまりに。チルカーノは外々を回されて最後の直線を迎えた。
ペースを考えると先行勢がかなり脚を残していたことは想像に難くなかったが、チルカーノは馬場の真ん中から豪脚を披露。メンバー最速タイとなる上がり3ハロン33秒4の末脚を繰り出し、先行各馬をまとめて差し切ってみせた。
「ラストの直線で見せた末脚は、このメンバーの中ではワンランク上のものでしたね。スケール感のあるフットワークで、ムルザバエフ騎手がレース後に称賛を与えたことにも納得です。
管理する高野調教師は戦前『まだ芯が入っていない感じがする』と話していたことから、これからの伸びしろにも相当期待できそうですよ」(競馬誌ライター)
イクイノックスを「唯一」差し切った兄の豪脚を彷彿!
初陣を飾ったチルカーノは父ハービンジャー、母がG1で3着2回のアロマティコ。半兄には皐月賞馬ジオグリフがいる良血だ。今回のゴール前でチルカーノが見せた末脚は、昨年の皐月賞(G1)でイクイノックスを差し切ったジオグリフの豪脚を彷彿とさせるものもあった。
ちなみにこの皐月賞は、後に国内外でG1・6連勝を達成し、先日現役引退を発表したイクイノックスがキャリアで唯一、後ろの馬に差されて黒星を喫したレースにもなっている。
「高野厩舎が管理するハービンジャー産駒の牝馬といえば、ナミュールも思い出されますね。今秋、富士S(G2)とマイルCS(G1)を連勝しマイル女王に輝いた同馬ですが、昨年の牝馬三冠レースでは皆勤したものの10着、3着、2着と戴冠にはもう一歩届きませんでした」(同)
「急かさなければ、距離はもう少し延びても良さそうです」
レース後、ムルザバエフ騎手はチルカーノの将来性についてもコメントを残した。次走は現時点で未定とのことだが、順調に行けば抜群の末脚を武器に、来春の牝馬クラシック路線で面白い存在となりそうだ。厩舎の先輩ナミュールが叶わなかった牝馬三冠レースのタイトル奪取にも期待したい。
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